サムスンがCJグループと協力し、「人工人間(Artificial Human)」プロジェクトを推進する。開発者は30代のインド人天才科学者だ。
(参考記事:「サムスンに30代専務が登場、インド出身のNEO開発者」)
サムスン電子は29日、同社の社内ベンチャー企業であるスター・ラブス(STAR Labs)が推進する人工人間(Artificial Human)の開発プロジェクト「ネオン(NEON)」において、スラー・ラブスがCJグループ企業と提携したと発表した。
サムスン電子のスター・ラブスは23日CJオリーブネットワーク社と人工人間開発のための業務協約(MOU)を締結した。両社は、人工人間AI技術と人工人間ベースのメディア事業で協力する。
「ネオン」は1月に米ラスベガスで開かれた世界最大のICT(情報通信技術)の展示会「CES 2020」で初公開された。仮想の人物が、実際の人間のような形状と表情で存在し、学習するという人口人間の開発プロジェクトだ。
同プロジェクトの中心人物は、サムスンの最年少役員とされるインド出身のプラーナヴ・ミストゥリー(Pranav Mistry)専務だ。今年1月に専務に抜擢された若手であり、2009年MITテクノロジーレビューが発表した「世界で最も影響力のある若手科学者35人」のリストに入った人物だ。マイクロソフト(MS)、Google、米国航空宇宙局(NASA)、ユネスコ、日本の科学技術振興機構(JST)などでの勤務歴がある。
リアリティあふれる形状と行動をリアルタイム(Realtime)に、反応型(Responsive)で提供する「コアR3(CORE R3)」ソフトウェアが、スター・ラブスのコア技術だ。サムスン電子の関係者は、「ネオンはパーソナライズされたニュースを伝えてくれるAIアンカーや製品を推薦してくれるショッピングホストになりうる」とし、「店や従業員を支援する店員になることもあり、ユーザーと対話してサポートする友達のような存在になることもある」と説明した。
今後、スター・ラブスは、ネオンを活用して二つの企業向けにサービスモデルを提供する予定である。一つは、ネオンを活用した「クリエイティブコンテンツ制作(NEON Content Creation)」である。メディア・教育・リテールなど様々な分野で新しい形の映像コンテンツを提供する予定である。他の一つは、アプリ・ウェブ・小売環境で新しい経験を提供することができる応対サービス型」のネオンワークフォース(NEON WorkForce)」だ。
CJはネオンを活用して、急速に変化するメディアコンテンツ産業に対応する計画だ。その最初のプロジェクトに仮想インフルエンサーを選定、新しい形のコンテンツを共に作りだすという。
チャ・インヒョクCJオリーブス代表兼CJグループCDO( Chief Digital Officer)は、「革新的な発展により、人工人間の分野も急速に成長している」とし、「スター・ラブス社のAIと、バーチャル映像技術が網羅されたネオンのCJオリーブスが保有するAI ・ビッグデータなどのIT能力、CJグループのコンテンツ制作の競争力を加えることで、新しい消費者ニーズに対応していく」と述べた。
サムスン電子のプラーナヴ・ミストゥリー専務は、「K-コンテンツのリーダーであるCJとコラボレーションをすることになり喜ばしい」とし、「ネオンの技術には、コンテンツ制作方法とスケールに新たな変化をもたらすだろう」とした。
(参考記事:「サムスン傘下の研究機関、言語処理系の国際AIコンテストで優勝」)
(参考記事:「AI半導体に力を入れるサムスン…アップルの元主席エンジニアを招致か?」)
(参考記事:「サムスンのAI研究論文、CVPR2020で多数発表」)
(写真:サムスン電子のプラーナヴ・ミストゥリー専務)