ファウンドリー(半導体の委託生産)事業において世界1、2位を争う台湾のTSMCと韓国のサムスン電子との間で人材獲得のための競争が激化しているという。
(参考記事:「インテルがCPU生産をサムスンに委託も?上級副社長がサムスンファウンドリ行事に参加」)
チョソンビズ紙は4日、業界情報を基に、「TSMCは今年8000人の新規採用計画を持っている」とし、「すでに上半期に相当水準の人材を確保したと」と報じた。
TSMCの社員数は昨年末基準で5万1000人とされ、今年末まで計画通り8000人を新たに追加した場合、6万人に迫ることになる。 TSMCは設備の拡大を進めており、米アリゾナに約1.3兆円を投じて工場を建設する方針を発表。また、台南(タイナン)市近郊に約2.6兆円を投入して3ナノ工程ファウンドリー工場を新設している。
一方、TSMCとのシェア差を中々埋められないサムスン電子だが、チョソンビズ紙によると、今年4万人とされる同社の新規採用社員のうち、「その相当数はファウンドリー人材という予測が出ている」と伝えた。仮に半分の2万人としても、TSMCが今年採用する人数の2.5倍となり、追い上げに対する本気度が伺える。サムスン電子も韓国の平沢(ピョンテク)に約1兆円規模の極紫外線(EUV)ファウンドリー生産施設への投資を発表している。
同紙によると、サムスン電子のファウンドリー事業部の現人員は1万4000人程度とされ、6万人に迫ろうとするTSMCに比べリソースで劣ることから、今回一気にテコ入れをするようだ。
市場調査会社のトレンドフォースによると、世界のファウンドリー市場シェアは今年第3四半期(7~9月)基準でTSMC53.9%、サムスン電子17.4%、グローバルファウンドリー7%などと予測された。 TSMCとサムスン電子との格差は36.5%と、第2四半期の32.7%より拡大している。
(参考記事:「「リノ工業、ファウンドリ工程の微細化に伴う恩恵持続」韓国証券社」)
(参考記事:「TSMCとサムスン電子に続きグローバルファウンドリーズも大規模投資か?」)
(参考記事:「[特集]アップルのCPU独自開発とサムスン・ファウンドリへの影響」)