韓国企業によるEV電池の泥沼訴訟戦、フォードやVWも巻き込み継続…米ITCが新たな証拠要求

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韓国企業によるEV電池の泥沼訴訟戦、フォードやVWも巻き込み継続…米ITCが新たな証拠要求

米国を舞台にした韓国企業同士(LG化学とSKイノベーション)によるEVバッテリーの営業秘密侵害訴訟は、米大統領選の影響などで米ITC(国際貿易委員会)が判決を延期(→12月10日)しているが、今回新たな資料の提出を両社に要求したことが分かった。その意図が何なのか議論を呼んでいる。
 
(参考記事:「韓国バッテリー企業同士の米訴訟戦、判決が再び延期…トランプ拒否権発動見方もあった」)
 
チョソンビズ紙は6日、LG化学がSKイノベーションを相手取って提起した、バッテリー営業秘密侵害訴訟を進めている米国国際貿易委員会(ITC)が、「両社にフォードとフォルクスワーゲンをインタビューした録音記録の提出を追加で要請した」と業界情報を基に報じた。

フォードとフォルクスワーゲンはSKイノベーションの取引社である。予備審査でITCから早期敗訴判決を言い渡され、劣勢が予想されるSKイノベーションだが、敗訴が確定するとフォードとフォルクスワーゲンの電気自動車生産は大きな影響を蒙ること必至であることから、両社はITCに嘆願書を送るなど、SK社の救済に力を傾けている。

フォードは来年からミシガン州で電気トラックF-150を生産する予定で、フォルクスワーゲンもテネシー州に電気自動車の工場を建設中だ。両社いずれも米国内で採算する電気自動車バッテリーの大部分を現在SKイノベーションが建てている米ジョージア州の工場で調達する予定だ。

チョソンビズ紙によると、ITCはLG化学がSKイノベーションを相手に提起した営業秘密侵害訴訟と関連し、先月30日、LG化学とSKイノベーションに両者の弁護人がフォードとフォルクスワーゲンを相手に行った尋問録音記録提出を要求したという。LG化学が双方の弁護士に代わって10月24日のフォルクスワーゲン録音記録と同年11月8日のフォード社の尋問録音記録をITCへ提出したとのこと。

同紙は、「ITCが最終決定を控え、録音記録を追加要求したことをめぐり、その背景に関心が集まっている」とし、「ITCが公益(public interest)かどうかを追加で検討するか、予備決定に対する《修正(remand)》指示を下す可能性もあるという意見も出ている」と報じた。

一つの可能性として、フォードとフォルクスワーゲンの嘆願について、ITCが検証を行っているとの見方が成り立ち、その場合はSKイノベーションにとってはプラスの材料となるだろう。敗訴確定となれば、部品などの輸入が不可能となり米国での事業が立ちいかなくなるSKからすれば、朗報となる。

SKイノベーションについては、敗訴すれば米国の雇用喪失につながることから、仮に敗訴しても米トランプ政権が拒否権を行使するとの見方が内外メディアから出ていた。LG化学側も、WSJへの寄稿文のなかで、本件への介入をしないでほしいとの主張を行っていた。バイデン氏が就任濃厚な次期米政権がどのような方針を持つかは現時点で不明だが、一種の泥沼化したLG化学とSKイノベーションによる長い訴訟戦は、まだ続く。
 
(参考記事:「韓国SKイノ代表「我々はまだ火災案件ない」…ヒュンダイ車炎上などについて」)
(参考記事:「SKイノベーションの次世代電池、VWのEV「ID.4」に搭載へ…800km走行・10分充電」)
(参考記事:「[特集]世界における韓国AI産業の現状…インフラや特許は上位も政府戦略や人材など劣る」)


 
 
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