韓国研究チーム、「太陽光水素」を作れる有機半導体光電極を開発

研究開発

韓国研究チーム、「太陽光水素」を作れる有機半導体光電極を開発

有機半導体基盤の、高効率・高安定性を持つ光電極(photoanode)が開発された。光電極を水の中に入れ、太陽光を当てることで水素を生成する「太陽光水素」を実現する技術となる。

韓国の蔚山科学技術大学校(UNIST)のチャン・ジウク、ヤン・チャンドク、チョ・スンホ教授の研究チームは、有機半導体物質を水から効果的に保護する「モジュールシステム」を利用し、性能と安定性に優れている光電極を開発した。既存の無機半導体基盤の光電極より水素生産効率が2倍以上高く、大面積の製造ができるため、コスト面でも有利である。

太陽光水素生産に使われる光電極は、太陽光エネルギーを吸収し、電荷粒子を作る半導体物質でできている。生成された電荷粒子が電極の表面で水と反応し、水素と酸素を作り出すという原理である。

水素を生成する反応が水の中で発生するため、太陽光水素生産に使われる光電極の材料としては、安定性の高い無機半導体が主に研究されてきた。有機半導体物質は無機半導体物質より高い水素生産効率を持っているが、水の中での損傷が激しい為、光電極としては使われていなかった。

そこで、UNISTの共同研究チームは、液体金属(インジウム-ガリウム合金)、ニッケル箔、そしてニッケル箔の上で成長させた触媒(ニッケル-鉄二重層水酸化物)で構成されたモジュールシステムを利用し、水の中で安定的な有機半導体光電極を作った。ニッケル箔は水と有機半導体の直接的な接触を防ぎ、箔上に成長させた触媒が全体の反応を促進する。また、ニッケル箔と有機半導体の間を液体金属で埋めることで、電荷粒子の流れを妨害せずに水の侵入を防ぐことができた。新しく開発された光電極の水素生産効率(半電池効率)は既存の無機半導体光電極の2倍以上である4.33%を記録した。

エネルギー化学工学部のヤン・チャンドク教授は、「有機半導体は無機半導体とは違い、無限に近い組み合わせが作れるため、これからもより効率の高い、新しい有機半導体物質を発掘できる」、「そのため、追加的な性能向上が期待される」と述べた。

新素材工学科のチョ・スンホ教授は、「今回開発されたシステムは一つのモジュールとして、ニッケル箔上に成長させた触媒や有機半導体の種類を替えられるという長所がある」と述べ、「現在、電荷粒子の移動を補助する新しい触媒に対する研究を続けて行っている」と説明した。

この研究は11月2日、国際ジャーナル、Nature Communicationsに掲載された。ユ・ジェミンUNIST修士博士統合過程大学院生、イ・ジョンホUNIST博士(パデュー大学博士研究員)、キム・ユンソUNIST修士博士統合過程大学院生が共同第一著者として参加した。(論文題目: High-performance and stable photoelectrochemical water splitting cell with organic-photoactive-layer-based photoanode)


 
 
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