[特集]世界各国で次世代車の普及生態系を構築する韓国ヒュンダイ

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[特集]世界各国で次世代車の普及生態系を構築する韓国ヒュンダイ

電気自動車、水素自動車、そして四足歩行自動車など、次世代自動車の開発に余念のない韓国のヒュンダイ(現代)自動車。これら次世代車によって、一気に世界的プレゼンスを高めるの同社の狙いだ。水素自動車「ネッソ」(NEXO)に防弾少年団(BTS)を起用し、いち早く普及に動いているのもその現れだ。なのでヒュンダイは開発だけでなく、次世代車を各国に普及するための生態系づくりにも取り組んでおり、最近になり世界各国との提携を相次いでを発表した。
 
(参考記事:「[特集]次世代車開発にイケイケの韓国ヒュンダイ 世界4位のEV車、BTS起用の水素車、そして四足歩行車…?」)
 

欧州

先月9日、ヒュンダイ自動車はスイス・ルツェルンにおいて、自社の水素電気トラックである「エクシエント水素電気トラック」(XCIENT Fuel Cell)の伝達式を行ったと発表した。(今年末までにさらに40台を出荷予定)

今回伝達された水素トラックは、「水素電気大型トラックの生態系」をベースに、伝統的な車の販売方式ではなく、走行に応じて使用料を支払う(Pay-Per-Use)新概念の水素モビリティサービスとして行われるという。使用料には、充電・修理・保険・定期整備等の車両運行に関連するすべてのサービス費用が含まれており利用の利便性を高めたとのこと。

スイス政府は水素市場活性化のためスイスの各地域に100か所の水素ステーションを設置する計画だという。そのような地でヒュンダイ自動車は、水素電気トラックの導入に伴う顧客の初期費用と事業的負担を下げ、欧州商用車市場での立地を拡大したい狙いだ。

ヒュンダイはスイス以外にも、ドイツ、ノルウェー、オランダ、オーストリアのなどヨーロッパ全域に水素電気トラックの供給網を拡大する予定であると明らかにした。2025年までに1,600台、2030年までに25,000台以上の水素の電気トラックを欧州市場に供給することが目標であるという。
 

北米

北米では大規模な物流企業とパートナーシップを結び、2021年から水素・電気トラックの商用化実証事業に乗り出すとヒュンダイは先月明らかにした。これにより、北米の地域特殊性と顧客の要件を反映したカスタムトラックを生産し、2030年までに12,000台以上供給する計画であるという。まだ具体的な提携話は出ていないが、重要な市場であるだけに、何らかの発表が遠くない時期にあると予想される。
 

中国

2030年までに水素電気自動車100万台の普及を推進している中国市場に対してヒュンダイは、中国政府をはじめとする地元の優秀なパートナーとの緊密な協力を推進し、2030年までに27,000台以上の輸出を目標に、水素商用事業開発とインフラ構築を積極的に進めている。今月4日には、中国現地における水素自動車のバリューチェーン構築を目指し、長江デルタ地域および京津冀地域のパートナー社との間で業務協約(MOU)を締結したと明らかにした。

MOUの相手は、上海電力有限公司(上海電力)、上海純化エネルギーシステム株式会社(上海浄化)、上海融和融資リース株式会社であり、4社は「長江デルタ地域水素商用車プラットフォームを構築するためのMOU」を締結した。

4社は、中国経済の中枢である長江デルタ地域内で、ヒュンダイの水素電気商用車を媒介とした水素の生産・供給・水素充電施設の構築・車の普及・運用(金融)を網羅する水素電気自動車事業のプラットフォームを構築し、各社が有機的に接続できる協力体制をつくり、水素電気商用車の試験的な運営事業も進める計画だ。

金融企業とも提携を結んでいるあたりが、計画の具体性を感じさせる。長江デルタ地域では2025年までに3,000台以上の水素電気トラックを普及するという目標だ。
 

シンガポール

今月12日にヒュンダイは、シンガポールのSPグループ本社(シンガポール)との間で事業協約(Business Cooperation Agreement)」を締結したと発表した。協約は、「シンガポール電動化の生態系を構築し、バッテリーを活用新事業発掘のための事業協約(Business Cooperation Agreement)」という名で結ばれた。

同国の国営企業であるSPグループは、シンガポール最大の電気・ガス配給会社であり、シンガポールに今年末までに約1千か所の電気充電所を確保する予定であり、それにはヒュンダイも協力するという。

ヒュンダイとSPグループの事業協約締結は▲電気自動車の普及と充電インフラの拡大▲シンガポール電動化政策研究▲電気自動車バッテリーのサブスクリプションサービス事業開発▲電気自動車バッテリーのリサイクルを通じた環境にやさしい資源好循環など、シンガポールの電動化の生態系の構築を目標としている。

ヒュンダイは昨年10月に、「ヒュンダイ自動車グループ シンガポールのグローバルイノベーションセンター(HMGICS、Hyundai Motor Group Innovation Center in Singapore)」の起工式を行っており、オープンイノベーション拠点になるとのこと。

ヒュンダイは、シンガポールにおける顧客の実際の活用データとSPグループの充電システムのデータを活用し、サブスクリプションや管理サービスを進める計画であり、バッテリーのリサイクル事業なども推進すると明らかにした。
 
(写真:ヒュンダイの水素自動車「NEXO」と広告モデルを務めるBTS=ヒュンダイ自動車提供)
 
(参考記事:「ヒュンダイが全車種でエヌビディアの半導体塔載へ…コネクテッドカーで協力拡大」)
(参考記事:「韓国で二次電池特許の出願が活発化…1位ヒュンダイに迫る日本勢、テスラは「スルー」」)
(参考記事:「ヒュンダイのEVカーの販売量が激減…主力車の炎上が他モデルにも「飛び火」」)
 
 

執筆:イ・ダリョン=編集長

 
 


 
 
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