[特集]LG化学がテスラ新モデルに電池独占供給か…首位固めに着々

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[特集]LG化学がテスラ新モデルに電池独占供給か…首位固めに着々

業界によると、来年から中国で生産される米テスラの新EV車「モデルY」に、韓国LG化学のバッテリーが独占供給されることが分かった。
 
(参考記事:「テスラ「モデルY」の恩恵を受けるLG化学…韓国証券社が分析」)
 
報道を好感し、LG化学の株価も反応を見せ、18日の688000ウォンから24日には799000ウォンへと約16%上昇した。来月1日に同社のバッテリー部門が分社化されて設立される「LGエナジーソリューション」の良い景気づけになった形だ。
 

LG化学が単独供給か?

同社の円筒形NCMバッテリーが搭載されるテスラの「モデルY」は、SUVモデルとなり、モデル3スポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)の「モデルY」は「モデル3」に続いて上海で生産されるテスラの第二の車種だ。両社は具体的な契約額などを公開していないが、韓国メディアなどによると、今回のバッテリー受注額は年間3兆ウォン(2800億円)に達すると見込まれている。 LG化学の南京工場から出荷される見通しだ。

テスラの「モデル3」にはLG化学以外にも、中国のCTALや日本のパナソニックもバッテリーを供給していたが、今回はLG化学のみになる模様だ。その理由について、韓国メディアなどでは、「モデルY」が「モデル3」とは異なり(重量やサイズの大きい)SUVであることから、CATLのLFP(リチウム・鉄・リン酸)バッテリーではなく、走行距離に優れたLG化学のNCM(ニッケル・コバルト・マンガン)バッテリーが搭載されるとの指摘が目立つ。

一方で、自動車メディアであるオートデイリー(24日)は、まだ正確な情報ではないとしつつ、「CATLがモデルYのスタンダードレンジモデルと変形モデルにLFPバッテリーを供給する可能性も提起されている」と報じている。

同紙によると、来年上海にあるテスラのギガファクトリーで生産される「モデル3」と「モデルY」の主力モデルにバッテリーを供給するLG化学は、最小で45万台以上に供給すると予想する。

市場調査会社SNEリサーチによると、今年9月基準の全世界のバッテリー市場シェアはLG化学が24.6%で1位、CATL(23.7%)が2位、パナソニック(19.5%)が3位となっている。「モデルY」への供給決定は、来年もLG化学が1位を維持するうえで、有利な材料ができたことを意味する。
 
シェア1位という「ポジショニング」

どの業界でもそうだが、「シェア1位」というのは、その順位自体が企業を業界の代名詞に押し上げ、市場優位をさらに強化させる効果を持つ。来月スピンオフされるバッテリー新会社(LGエナジーソリューション)のIPOにおいても、より多くの資金を集めるための分かりやすいアピールポイントとなる。LG化学の分社化が、当初検討されていた昨年を見送り、シェア1位奪取後に急きょ発表されたことからも、当然ながら、このような計算が織り込まれているのだろう。

もちろん、「虎の子」の電池事業を分社化することに対して、LG化学の個人株主や、同社の第二位の株主である韓国年金基金に分社化を反対されたときは、少し冷や汗をかいたかもしれない。しかし、最終的に賛成多数で乗り切った。

一方で、自社のバッテリーが搭載されたヒュンダイの「コナEV」や、GMの「ボルトEV」が最近リコールを決定した際には、少なくない冷や汗をかいたかもしれない。ただし、これについても、現時点でLG化学のバッテリーに原因があると特定されているわけではなく、同社もそのような立場を崩していない。場合によっては、社運を揺るがす問題となりうるが、電気自動車産業の確立に伴う「必要リスク」として消化される可能性もないわけではない。いずれにしろ、今後の調査が待たれる。
 

素材生産にも注力

LG化学はバッテリー素材についても積極的な投資に乗り出している。EVバッテリー生産において必要となる正極材や前駆体、カーボンナノチューブ(CNT)などの素材生産も拡大するため動いている。

韓国メディアなどによると、先月末から、LG化学が中国ファユコバルトと設立した年産4万t規模となる正極材の合弁生産法人が本格量産に突入した。LG化学は2018年4月に世界1位のコバルト精錬企業であるファユコバルトとの間で、前駆体と正極材の合弁契約を結び、設備投資を推進してきた。

LG化学は韓国の清州工場にも3万t規模となる正極材生産設備も増設すると伝えられる。来年には年産6万t規模の亀尾工場も完成する予定とされる。毎日経済新聞(22日)によると、それらを併せれば、LG化学の正極材の生産能力は、現在の4万tから2025年17万tに大きく増える見込みだ。これにより、現在25%水準とされる正極材の内在化率は今後35%以上に拡大される。

LG化学は来年上半期の稼働を目標に、韓国の麗水工場でCNT 1200tの増設を行っている。これが完了すると、LG化学のCNT生産量は、従来の500tから1700tに拡大される見込みだ。
 

環境も重視

LG化学は電気自動車バッテリーの生産に留まらず、工場運営のための動力も再生可能エネルギーで確保し、全方位的な持続可能経営活動を行っている。ポーランド工場は昨年から、アメリカミシガン州の工場は今年7月から、それぞれ100%再生可能エネルギーを使用している。また、韓国の梧倉(オチャン)工場と中国の南京工場は2025年までに再生可能エネルギー100%を導入する予定である。

この点を評価し、欧州復興開発銀行(EBRD)は毎年行う「サステナビリティアワード」(Sustainability Awards)において、「持続可能エネルギー(Sustainable Energy)部門」の最優秀賞(Gold)をLG化学に最近授与している。シェアを確保するための競争戦略の一つでもある。
 
(参考記事:「「2年後にはVWがテスラ抜きEV1位に、電池はLG化学とCATLが主導」市場調査会社が予想」)
(参考記事:「韓国ヒュンダイがEV火災事故でLG化学に言及…LG側は「調査中」強調」)
(参考記事:「LG化学のバッテリー事業分社化、株主総会で可決…12月1日発足へ」)
 
 
執筆:イ・ダリョン=編集長
 
 


 
 
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