韓国研究チーム、ペロブスカイト太陽電池を改善する添加剤を開発

研究開発

韓国研究チーム、ペロブスカイト太陽電池を改善する添加剤を開発

 高効率かつ低コストの次世代太陽電池として注目を集めている、ペロブスカイト(Perovskite)太陽電池の安定性と効率を大幅に向上できる添加剤が開発された。

 韓国のウルサン科学技術大学校(UNIST)は11日、パク・ヒェソン、ヤン・チャンドク教授の研究チームが、ペロブスカイト太陽電池の核心素材である「ペロブスカイト」に微量の有機化合物を添加し、太陽電池の水分・光・熱安定性を複合的に改善した。また、太陽光を電気エネルギーに変換する効率(光電変換効率)も、既存の太陽電池より17%以上向上させた。

 ペロブスカイトは太陽光を吸収し、荷電粒子を作る太陽電池の核心素材である。小さい結晶の粒(grain)が集まった多結晶構造を持っている。製造が簡単で、コストも低いが、水分や熱のような外部刺激に弱い。特に、結晶の粒の間の「結晶粒界欠陥(grain boundary defect)」はペロブスカイトの安定性が低い原因である。ブロック舗装の隙間のような、結晶粒界欠陥が、ペロブスカイトが外部刺激で分解される現象を加速化するからだ。また、結晶粒界欠陥で光生成荷電粒子が失われ、光電変換効率の低下にもつながる。

 UNISTの研究チームは、結晶粒のサイズを大きくし、結晶粒界欠陥を小さくする添加剤、「Y-Th2」を開発した。この添加剤は、結晶の核生成(nucleation)数を減少させる。結晶粒は、結晶核が作られたあと、核が大きくなることでできるため、結晶核の数を減らすことで、一つ一つの粒の大きさをより大きくできる。また、この添加剤は結晶の成長速度を遅延させることで、結晶粒の原子配置をより整えることができ、効率を引き上げる。

 この添加剤を入れた太陽電池の初期光電変換効率は、添加剤を入れてない太陽電池に対して約17%向上された、21.5%を記録した。また、外部刺激に対する安定性が向上され、1600時間作動(湿度40%)させた後も、初期効率の80%の効率を維持した。一方、添加剤を入れてない太陽電池は、同条件で初期効率の30%以下まで効率が落ちた。

 この研究に第一著者として参加したUNIST新素材工学科のグ・ドンファン博士課程研究員は、「この添加剤をペロブスカイトに入れると、ルイスの酸・塩基反応と水素結合を通じて、結晶化度(crystallinity、結晶化された部分の割合)が高く、大きい結晶粒を作ることができる」と説明した。

 UNIST新素材工学科のパク・ヒェソン教授は、「一つの添加剤を利用し、ペロブスカイト素材の複合安定性と光電気的性質を両方改善した研究」と説明し、「今回開発した添加剤は、太陽電池のみならず、ペロブスカイトLED(PeLED)のような、多様なペロブスカイト基盤光電素子の発展にも大きく寄与できるはず」と述べた。

 この研究は、10月30日、エネルギー・材料分野の国際ジャーナル、「Advanced Energy Materials」に掲載された。この研究は韓国研究財団、株式会社韓国東西発電、韓国科学技術研究院、韓国エネルギー技術評価院の支援で遂行された。
 
(参考記事:「韓国研究機関「太陽電池の老化を遅らせる有機金属を開発」と発表」)
(参考記事:「韓国研究者、物質表面と内部両方にエネルギーを貯蔵できる灰チタン石素材を開発」)
(参考記事:「韓国UNIST「室内照明で充電できるバッテリー開発」と発表」)


 
 
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