[特集]韓国の相続税制は改善必要、日本に次いで2番目に高い…シンクタンク提言

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[特集]韓国の相続税制は改善必要、日本に次いで2番目に高い…シンクタンク提言

韓国経済研究院(KERI)は17日、韓国の税制に関する提言を発表し、所得水準に応じて制度の改善が必要であると提起している。日本の税制についても言及された。
 
(参考記事:「[特集]内製化すすむ中国、製造業拡張の米国、日韓は? コロナ以降のバリューチェーン変化」)
 
KERIによると、韓国は所得水準の向上にもかかわらず、韓国相続税の課税標準区間と税率などが、2000年当時の水準に留まっており、制度の改善が必要であると主張している。

KERIは、過去19年の間(2000〜2019年)に韓国の所得水準が2.7倍高くなるなかで、相続税の課税標準区間と税率が一度も調整されていないと指摘している。その結果、相続税が発生した被相続人の数が6.9倍に増加し、申告税額も7.1倍に急増しており、国民の相続税負担が大きくなっていると明らかにした。

昨年の韓国の相続税申告税額は3兆6,723億ウォン(約3452億円)となっており、2000年の5,137億ウォンに比べ7.1倍増加した。これに対してKERIは、2000年から2019年までの19年間に、所得水準(1人当たりのGNI)が約2.7倍大きくなったのに比し、課税標準区間、税率、共済規模などの課税システムが過去の水準に留まっており、相続税の負担が大きく増えていると説明した。

税制維持で6.3~6.9倍に増加

韓国国民の所得水準の向上を考慮せずに、既存の課税システムを維持されていることで、納税対象が増加した。2000年と2019年で比較すると、相続税が発生した被相続人の数は1,389人から9,555人へと6.9倍増加した。同じ期間の課税対象総相続財産価額は3兆4,134億ウォンから21兆5,380億ウォンへと6.3倍に増え、課税標準は、1兆8,653億ウォンから12兆2,619億ウォンへと6.6倍増加している。

日本20年vs韓国5年

韓国が2000年から相続税率を維持している間、OECD主要国は相続税の負担を徐々に減らしてきた。その結果、韓国の相続税の最高税率はOECD加盟国の中で日本に次いで二番目に高い。KERIは、相続税率の引き下げが難しい場合は、分割納付期間を長くすることで、納税者の負担を軽減する必要があると指摘している。

相続税は、未実現利益に課されるため、これを納付するために相続財産の一部を急いで売却しなければならないという負担が生じ得る。税法上の他の項目とは異なり、相続税に限って分割納付を認めることもこのような理由からだ。日本は相続財産のうち流動化が難しい不動産が占める割合に応じて最長20年の分割納付を可能にしている。しかし、韓国は家業の継承を除く一般継承の分割納付期間は5年に制限されており、相続財産の現金化による負担が大きい。

*日本の相続税の最高税率は55%で、OECD加盟国の中で最も高いが、相続税の分割納付期間が長い(※最長20年)ため、年間納税負担は、韓国(最高税率50%、分割納付5年)に比べて低い

分割期間を長くする方が安定性高い

KERIは、相続税は、少数の高額納税者への依存度が高く年度別の税収変動幅が大きい。

KERIは、相続税の分割納付期間の拡大が納税者の負担を下げることはもちろん、課税当局の税収の安定性の確保にも役立つと主張する。例えば、10兆ウォンの相続税課税額を10年間分割納付とした場合、最初の年の相続税の変動率は28.1%であり、一括納付(312.5%)および現行の5年分割納付(50.0%)に比べて税収の変動が大きく低下すると説明した。

チュ・グァンホKERI経済政策室長は、「相続税の分割納付期間の拡大は、税収の減少なしに納税者の現金調達の負担を減らす効果的な手段」とし、「税額元本と利息が長期的に支払われるように、税収の安定にもプラスの効果が期待される。」と説明した。

続けて、「相続税の分割納付期間の拡大を開始し、20年以上先送りしてきた相続税税制改編に乗り出すとき」とし、「相続税の引き下げと廃止という世界的な流れに、私たちも加わらないといけない」と付け加えた。

KERIはまた、経済成長および物価上昇による租税体系の歪みを防ぐため、課税標準区間および税率を適切に調整することが課税当局の役割である強調。所得税の場合、2000年から2020年に至るまで、課税標準区間および税率が全9回調整されが、相続税の課税標準区間および税率は一切調整されておらず、2000年当時の基準が現在まで維持されていると明らかにした。

KERIは、このことについて、「相続税は一部の富裕層だけが支払う税金であるとの認識が強いため、一般国民はもちろん、課税当局も関心を傾けないという傾向がある」とし、「基礎控除(2億ウォン)、配偶者相続控除(最大30億ウォン)、一括控除(5億ウォン)など主要控除限度についてもIMF危機(90年代末)以前の水準に留まっている」と説明している。
 
Sあ
(参考記事:「[特集]日米などと比べて規制範囲の広い韓国の流通規制」)
(参考記事:「[特集]外国人の目に映る韓国の投資環境…その魅力と問題点」)
(参考記事:「[特集]世界の電気自動車産業の趨勢と韓国の課題…スタンド数・政府支援など脆弱」)


 
 
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