[特集]韓国政府が半導体など有望22社を選定…様々な支援で世界トップ企業に育成へ

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[特集]韓国政府が半導体など有望22社を選定…様々な支援で世界トップ企業に育成へ

韓国政府がハイテク素材や部品・装置の国産化政策に伴い、有望企業22社を選定し、世界トップ企業に育てるためテコ入れすることが分かった。
 
(参考記事:「韓国政府が半導体素材や二次電池関連60品目に関税割当…輸入促進効果」)
 
2019年7月にとられた日本による半導体素材3品目の輸出規制(輸出管理強化)に端を発する韓国政府による国産化政策は様々な施策が並行して行われているが、今回は、デジタルや低炭素・エコ企業なども対象に含みつつ、有力な技術を持つ企業が選定されている。今後、資金ファンドや特別許認可を含む、様々な支援を受ける予定だ。

韓国産業省(産業通商資源部=ソン・ユンモ長官)は11日、政府世宗(セジョン)コンベンションセンターで「素材・部品・装備最高企業ビジョン宣言式」を開催し、グローバル素材・部品・装備トップ企業に成長する韓国内最高の技術企業22社を、第1次の「素材・部品・装備最高企業22社」を選定したと明らかにした。同イベントには22社の代表も全員が参加した。

同省によると、昨年10月から約3ヵ月間、最高企業選定を申請した123の企業を対象に200人余りの専門家が4段階にわたって評価を行い、最終22社の企業が選定されたという。昨年4月に全面改正した「素材・部品・装備産業の競争力強化のための特別措置法」と昨年7月に「素材・部品・装備2.0戦略」に基づいている。

企業規模別では、大企業2社、中堅企業14社、中小企業6社と均等に選定され、分野別では半導体・ディスプレイ7社、機械金属7社、電気電子分野4社、自動車3社、化学1社が選ばれた。
 

(表:韓国産業省の発表を基に本紙作成)
 
同省によると、1次選定された企業の特徴は、特許、R&D(研究開発)人員や力量、関連専門家の検討を総合すると、核心戦略技術分野で韓国内最高技術を保有しており、国内外投資、海外進出経歴、製造環境、経営者の意志とビジョンなどを通じてグローバル最高(トップ)企業に成長する可能性を持っているという点だ。

今回選定された企業はグローバル供給網を先導し、韓国内主力産業成長の牽引役となれるよう、今後5年間政府レベルの100余りの利用可能プログラムを連携し、①技術開発→②事業化→③グローバル進出の全周期にわたって支援を受ける予定だ。
 

支援内容

支援内容はまず、選定された企業がグローバル最高水準の技術力を確保できるよう、5年間最大250億ウォン(約24億円、年間50億ウォン=約4.7億円)のR&Dを支援し、企業負担を大幅に緩和して攻撃的な技術開発投資を誘導する計画だ。また、339の公共機関テストベッド基盤の実証評価を通じて技術開発成果の事業化を促進するとともに、4000億ウォン(約380億円)規模の産業技術政策ファンドを優先的に提供し、M&A・設備投資などの必要な資金も積極的に支援する。

次に、選定企業が世界市場に進出するため、海外の有力プラットフォームを対象にした広報を通じて、「素材・部品・装備国家ブランド企業」に育成し、企業別に個別型戦略コンサルティングを提供し、海外オン・オフライン展示会への進出支援など、多角的な方式を通じて支援する計画だ。

また、選定企業の成長を妨げる不必要な規制も取り払われる。現在ある「素材・部品・装置需給対応支援センター」を選定企業の規制障害専担窓口に指定し、最高企業の規制改善申請に対しては規制ハイパス制度を通じて15日以内に改善するかどうかを検討し、直ちに改善する計画だ。

ソン・ユンモ長官は同イベントの祝辞で、100大核心戦略技術を担う最高の技術企業を選定・育成し、これらの企業が国内を超え、グローバルTOP企業に成長するよう個別の支援を約束し、誰も太刀打ちできない素材・部品・装備強国跳躍のキープレーヤーとしての役割を強調した。

産業通商資源部は年内に20社以上の素材・部品・装備最高企業を追加で選定するなど、2024年までに最高企業を100社に拡大する予定であり、特に今年の末に選定する最高企業は未来産業トレンドを反映し、既存の6大主力産業の範囲を超えてバイオ・エネルギーなど次世代有望新産業分野まで選定範囲を拡大する計画だと伝えた。
 

選定企業の技術水準

同省や韓国メディアなどによると、今回選定された企業は、それぞれ先進的な技術を保有していることが分かった。

シンファインターテックは、次世代ディスプレイ技術であるQDパネルにおいて、防汚や防水に欠かせないバリアフィルム(※日本から全量輸入)が必要ないBarrier less QDフィルムを世界で初めて開発し、年間売上高で600億ウォン(約57億円)以上を記録し、同分野で世界市場シェア40%(1位)を確保している。

ジュソンエンジニアリングは、次世代半導体プロセスに適用可能なALD(原子層堆積)装置の蒸着厚みを均一性の向上が可能な時空間分割蒸着技術を世界に先駆けて開発し、世界的な半導体素子企業であるA社(韓)やB社(米)と共同で蒸着装置を開発中である。

イルジンマテリアルズは、半導体基板の回路の製作に不可欠な超極薄の生産技術を開発し、国内唯一の超極薄関連源泉特許を保有しており、生産された超極薄を日本に輸出(’19年35億ウォン規模)している。

アスフローは、半導体プロセスに使用される超高純度プロセスガスを半導体製造装置に供給するために使用される高清浄鋼管を韓国で初めて国産化し供給している。鋼管と組み合わせて使用されるバルブ、レギュレータ、フィルタ製品を国産化し、半導体プロセスガス供給材料部品技術自立底辺を広げている。

トンジンセミケムは、コア半導体材料である「フォトレジスト」を生産する会社である。国内半導体メーカーにフッ化クリプトン(KrF)フォトレジストを主力に供給する。 2019年、日本政府の極紫外線(EUV)フォトレジスト輸出規制以降、日本が90%以上占有するEUVフォトレジストのほか、フッ化アルゴン(ArF)フォトレジストなどの最先端の半導体フォトレジストの国産化に挑戦している。同社は昨年1月、華城の工場増設を発表している。

エコプロビーエムは、電気自動車バッテリーの核心素材であるハイニッケルNCM(ニッケル・コバルト・マンガン)、NCA(ニッケル・コバルト・アルミ)正極材を生産し、年間売上高6000億ウォン(約569億円)以上、世界市場でシェア2位を占めている。

コーロンインダストリーは、フォルダブルやローラーブルなど次世代フレキシブルディスプレイで重要な役割が期待される透明ポリイミド(PI)を国産化した。スクラッチに耐え、耐久性が強く、ディスプレイを保護するカバーウィンドウで活用が期待されている。透明PIは、日本が2019年7月の輸出規制に含まれる素材だ。
 
 
(参考記事:「韓国政府、ナノ・素材の源泉技術開発に270億円超投じる」)
(参考記事:「韓国政府、ホワイトバイオの開発促進へ…低炭素とゴミ問題解消 海外市場も開拓」)
(参考記事:「韓国政府、日本による「特許攻撃」に対応のため専門組織を設置…国産化によるジレンマ」)
 
 


 
 
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