[特集]K-POPなどデジタルコンテンツに関税賦課の流れ?韓国経済団体は政府に無関税交渉を要求

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[特集]K-POPなどデジタルコンテンツに関税賦課の流れ?韓国経済団体は政府に無関税交渉を要求

韓国貿易協会(KITA)傘下の国際貿易通商研究院(IIT)は18日、「K-POPとK-ウェプ漫画に関税か ~電子転送の無関税議論の現状と政策的対応」というレポートを発表し、デジタルコンテンツに対し各国が関税を賦課しようとする動きについて報告した。以下に概要を掲載する。
 
(参考記事:「[特集]韓国のデータセンター産業の現状と課題…データ量では世界5位も大型DCでは最後尾」)
 
インターネットとデジタル技術の発達により、海外の放送メディア、娯楽コンテンツに対する消費行動が、オンラインとモバイルの活用によって、大幅に変化した。もはや、メディアコンテンツが収録されたビデオテープ、書籍、CD、DVDなどの物理的媒体を輸入する必要がなくなり、オンライン空間でデジタル化された海外のコンテンツを簡単に消費することができる。さらに、新型コロナウイルスによるソーシャルディスタンスの導入やロックダウン(都市封鎖)の影響で、グローバルデジタルメディア市場の規模が急成長した。リアルタイムで動画を鑑賞するビデオストリーミング(streaming)は全世界のインターネットトラフィックの過半以上を占めるほど、デジタルコンテンツの影響力が大きくなった。

電子的に送信されるデジタルコンテンツが全世界的で流行すると、発展途上国を中心に、デジタルコンテンツの輸入を制限しようとする動きが登場した。特に電子商取引やデジタル貿易に関連して、過去20年余りの間、WTOの唯一の成果であった「電子転送の無関税モラトリアム宣言」(以下、モラトリアム)をめぐる議論が、最近になり再び活性化している。 2017年の第11回WTO閣僚会議を控え、インド、インドネシア、南アフリカ共和国などが、がこれまで自動的に延長されてきたモラトリアムに異議を提起し、同延長を拒否しようとする立場を示している。発展途上国は、電子送信に永久関税を賦課することができなくなると、莫大な税収の損失が発生し、自国の遅れたデジタル産業を発展させるためには、関税政策が必要だという立場だ。最近活発に行われているWTO複数国間の電子商取引の交渉でも、モラトリアムは重要な案件として議論されているが、モラトリアムの永続化については、交渉参加国の間で意見の対立が続いている。

IITの報告書では、韓国の電子転送貿易規模とモラトリアムによる予想税収の損失を推定し、無関税モラトリアムの貿易交渉において、韓国政府が取るべき立場を提言している。このため、HS コードのうち、オンライン転送が可能な129品目を選定。過去、その品目の年間平均成長率をもとにデジタル化可能な製品の潜在的な収益の規模を推定して、この推定値とそのアイテムの実際の収入の統計との違いを電子転送とみなした。分析の結果、電子送信による輸入規模は2019年基準で6.9億ドル(輸入全体の0.1%)に達すると推定された。これにより、モラトリアムによって2019年には約139億ウォン(約13億円)の関税収入が失われたと見積もっている。これは、全体の関税収入の0.2%に微々たる水準であるとのこと。すでにほとんどのデジタル化可能な製品が、世界貿易機関(WTO)協定、情報技術協定(ITA)により無関税で輸入されているからである。輸入映画フィルムについては6.5%の関税が課さてはいるが、主要国とのFTA締結を勘案すると、損失額の規模はさらに少ないと予想されるとIITは分析した。

モラトリアムを維持した場合、韓国が被る財務上の損失は微々たる一方で、海外市場を積極的に攻略している韓国のデジタルコンテンツ産業や韓国の国内消費に及ぼす肯定的な効果は、財務上の損失を圧倒すると見積もられた。全世界的にK-POP、K-ウェプトゥーン(Web漫画)、K-ゲームなどが好調であったことから、2019年に韓国コンテンツ産業とソフトウェアの輸出はそれぞれ103.9億ドルおよび139.6億ドルを記録するなど大きく成長した。ほとんどのK-コンテンツがデジタル製品の形で電子的に送信されることを考えると、これまで注目されていなかったモラトリアムが、韓国のコンテンツ産業の成長に大きな役割を果たしたという点を知ることができるとIITは説明した。

一部の発展途上国の主張するようにモラトリアムが廃止されると、韓国のデジタルコンテンツが海外市場で関税障壁にさらされ、販売上のネガティブな要因になり得る。モラトリアムによる財務上の損失よりも、韓国コンテンツ産業が得る利点がさらに大きいため、韓国政府はWTO複数国間との交渉によってモラトリアムの恒久化を推進すべきであるとIITは提言している。
 
(写真:BTS=ビックヒットエンターテイメント)
 
(参考記事:「[特集]韓国の水素経済の現況と課題…水素自動車普及は世界1位も、インフラなど不十分」)
(参考記事:「中国でのBTS発言炎上が理由か…サムスンがBTS限定版「S20」スマホ販売中止」)
(参考記事:「[特集]次世代車開発にイケイケの韓国ヒュンダイ 世界4位のEV車、BTS起用の水素車、そして四足歩行車…?」)


 
 
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