[特集]韓国の半導体素材や部品などの国産化政策…1年半の経過

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[特集]韓国の半導体素材や部品などの国産化政策…1年半の経過

日本政府が2019年7月に行った韓国に対する半導体素材3品目への輸出規制(輸出管理強化)に対し、韓国政府は半導体やディスプレイに用いる素材・部品・装置の国産化政策の推進を始めた。1年半が経過した今月22日、韓国産業省(産業通商資源部)は、それまでの経過をまとめたレポートを公表した。以下に内容を整理し掲載する。

(レポートタイトル:「素部装(素材・部品・装置)競争力強化対策1年半、素部装企業活動レポート ~素部装産業生態系、変化の風が吹いている~」)
 
(参考記事:「ダイキンが韓国に半導体製造用ガス生産でMOU締結…サムスン物産も合弁参加」)
 

▲日本の輸出規制3品目

韓国政府の迅速な技術開発支援と企業の代替素材投入などにより、国内生産を急速に拡充し、需給が安定的に維持している。

高純度フッ酸液は、ソルブレイン社が12N(99.9999999999%)級の生産設備を2倍に拡充し、生産を開始。フッ化水素はSKマテリアルズが5N(99.999%)クラスの高純度製品の量産に成功した。(業界で使用されるフッ酸液(液体)とフッ化水素(気体)は、純度の基準がそれぞれ異なる)

EUVフォトレジストは欧州産輸入を多様化し、米国のデュポン社と日本のTOK(東京応化工業)からの投資を誘致し、国内某企業は、パイロット設備を構築しプロトタイプをテスト中だ。

フッ化ポリイミドは、コーロンインダストリー社が量産設備を構築し、中国への輸出までしており、SKC社は、独自の技術を確保した後、生産投入テストを進行中だ。いくつかの企業がすでに携帯電話に代替素材を採用している。
 

▲対日輸入依存100大品目

輸入先を欧州連合(EU)、米国などに多様化し、品目別平均在庫レベルを従来比2倍以上に拡充した。

ヒョソン社は昨年上半期に炭素繊維の生産設備を増設し、SKC社は2019年下半期ブランクマスク工場を新設するなど、23社の企業が国内に新たに生産設備を構築した。

SKシルトロン社は、米国デュポン社のシリコンウエハ部門を買収し、KCC社は、シリコン素材企業の米国MPM社を買収するなど、多角的に安定向上の努力に努めている。
 

▲対世界338 +α品目

関係省庁と関係機関、業種別協会など計21機関によって受給対応サポートセンターを構築し、7000社以上の企業の需給動向を常時監視し、803件の需給における支障を解消。
 

▲技術開発

2019〜2020年には約2兆ウォン(約1870億円)を投入し、100品目の技術開発を促進し、現在までに85品目の技術開発が進行中。残りの項目についても、今年から研究開発(R&D)を順次サポートしている。

また、ArFフォトレジストをはじめ、2019年の追加予算により、技術開発中の製品が量産に入る予定。
 

▲協力モデル

需要 – 供給企業と研究所などが参加する協力モデル22件の研究開発支援と投資が行われている。特に二次電池部品、半導体用材料等については、来る2024年までに2137億ウォン(約200億円)規模の政策資金が投じられる。

これまで企業負担が大きかった、人材や環境分野などの規制についても、特例を介して汎省庁的に強力にサポート。企業は、技術開発と国内生産設備投資などを強力に推進している。
 

▲量産性能評価

需要企業が量産ラインを開放し、供給企業が開発した製品の性能を評価することができるよう支援している。政府は現在までに、関連262件の課題に750億ウォン(約70億円)を支援した。

これにより、113件の供給企業が需要企業から性能認証を取得しており、いくつかの企業は、196億ウォン(約18億円)規模の事業化に成功するなど成果が可視化しています。

2020年までに量産ライン開放に参加した需要企業は25大企業を含め合計74社で、前年比6倍以上拡大するなど、着実に増加している。
 

▲信頼性の向上

15の公共研究所において、開発製品の実証評価が可能なテストベッドを構築し、公共研究所と大学のインフラを活用した開発製品の性能向上にも対応している。
 

▲技術サポート

32の公共研究機関で構成された融合革新支援団、12の優秀大学で構成され素材・部品・装置技術戦略諮問団を通じて153件の技術支障の解消をサポートした。

核心戦略技術に特化し、世界的な成長力を保有するトップ企業22社と、これに準じる企業100社、スタートアップ20社を選定して支援している。
 

▲有望企業への投資

素材・部品・装置企業に集中投資するための8626億ウォン(約805億円)規模のファンドを組成し、4件のプロジェクトに合計3564億ウォン(約333億円)を投資した。

現金インセンティブの拡大とUターンの補助金の拡大などにより、材・部品・装置企業の国内回帰が歴代最高を記録。国内回帰は2019年から増加し、昨年は18社が国内に戻った。大企業で中堅企業に至るまで多様な企業が回帰し、超軽量車両部品‧フォトレジスト原料などの先端分野も含まれた。

外国人投資も、半導体や電気自動車などの先端産業分野に拡大される傾向にある。
 

▲司令塔の整備

政府は、政策のコントロールタワーとして2019年10月に「素部装競争力委員会」を発足させ、政策樹立と協力モデルの承認、対策履行の点検などを行っている。

2001年に制定された「部品素材特別法」のを20年ぶりに全面改正し、昨年4月1日に施行した。

安定財源確保のために素部装特別会計も新設、今年は2019年に比べて3倍以上となる予算を運営している。
 

▲今後の対策

次世代技術の開発のための研究開発に2兆2000億ウォン(約2050億円)を集中投資し、新素材の開発にかかるコストと時間を削減するための、データを活用したプラットフォームを構築する。デジタル物流網の構築などを通じて、サプライチェーンも高度化する。

体系的なマッチング支援案を用意し、密着支援、将来の新産業対応能力を備えた次世代の技術特化企業を育成する。また、有力企業向専用の研究開発を新設・支援し、ベンチャー投資ファンドも造成する。ASEANなど有望市場と、ドイツ‧ロシア‧イスラエルのなどの核心技術保有国を中心に協力基盤を多様化する。

先端産業の世界的なクラスター化に拍車をかける。

素部装に特化した構築し先端投資地域を指定する。投資誘致のための税制支援を強化し、5年間で1兆5000億ウォン(約1400億円)の財政支援も並行して行う。
 
(参考記事:「[特集]「12ナインフッ化水素」で名を上げたソルブレイン社」)
(参考記事:「SKマテリアルズが高純度フッ化水素の量産開始」)
(参考記事:「デュポンの韓国人重役、EUVフォトレジスト工場誘致などで韓国政府から表彰」)
(参考記事:「東京応化工業がEUVフォトレジストを韓国で生産…韓国国営ニュース報じる」)


 
 
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