KAISTの研究チーム「解像度高めた薄型4Dカメラを開発」発表

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KAISTの研究チーム「解像度高めた薄型4Dカメラを開発」発表

韓国科学技術院(KAIST)バイオ脳工学科のジョン・ギフン教授の研究チームが、金属ナノ光吸収層を利用し、高解像度4D映像の具現が可能な超薄型ライトフィールドカメラの開発に成功したことが2月4日、明らかになった。
 
(参考記事:「KAISTの研究チーム、深層学習を利用した遺伝子転写因子予測システムを開発」)
 
「ライトフィールドカメラ」は昆虫の視覚構造形態に着眼し、微細レンズと対物レンズを結合させたカメラである。一回の2次元撮影で光の空間、方向など、4次元情報を同時に獲得することができる。しかし、既存のライトフィールドカメラでは、微細レンズの配列の光学的クロストーク(Optical crosstalk)現象による解像度低下、対物レンズの位置による大きさの限界など、複数の問題点が存在した。

今回、研究チームが開発した「4Dカメラ」は、ナノサイズの光吸収構造を微細レンズ配列(Microlens arrays)の間に挿入し、コントラスト比や解像度を向上させ、外部光源、追加センサーの付着が必要という既存のカメラの限界を克服した。そのため、医療映像、生体認識、モバイルカメラ、仮想現実・増強現実カメラ分野への適用が期待されている。

研究チームは、微細レンズ配列の光学的クロストーク現象を防止するために、厚さ200ナノメートル(nm)の金属-誘電体-金属の薄膜でできた光吸収層をレンズの間に配置し、対物レンズと微細レンズの間隔を一定水準まで縮めることで、超薄型ライトフィールドカメラの開発に成功した。高い光学的損失性と低い分散性を持つクロム(Cr)金属と高い透過率を持つガラス層をナノメートル水準の厚さで積層した構造(Cr-SiO2-Cr)は、可視光線領域の光を完全に吸収できる。このようなナノ光吸収層を微細レンズ配列の間に配置することで、光学的クロストーク現象を防止し、高コントラスト比、高解像度の3次元映像を獲得できる。

研究チームは、光吸収構造を持つ微細レンズ配列を、フォトリソグラフィ(photolithography)、リフトオフ(Lift-off)、熱再流動(Thermal reflow)工程で量産した。また、ライトフィールドカメラの厚さを最小限に抑えるために、微細レンズをイメージセンサーの逆方向に配置し、対物レンズと微細レンズの間の距離を2.1mmまで縮めた。今回開発されたライトフィールドカメラの全体の厚さは5.1mmであり、現時点において最も薄いライトフィールドカメラである。

ナノ光吸収構造を持つ微細レンズによって、イメージセンサーに記録される原始映像は既存の微細レンズによる映像より高いコントラスト比と解像度を持つ。研究チームはこの映像を視点映像、3次元映像に再構成し、正確度が向上したことを確認した。

ジョン・ギフン教授は、「超薄型かつ高解像度のライトフィールドカメラを製作する新しい方法を提示した」と述べ、「このカメラは生体認識、医療用内視鏡、携帯カメラのような、多視点(Multi-view)、再焦点(Refocusing)を要求する超小型映像装置に統合され、超小型4Dカメラの新しいプラットフォームとして活用されるはず」と説明した。

KAISTバイオ脳工学科のベ・サンイン博士課程学生が主導したこの研究は、科学技術情報通信部の個人研究支援事業、産業通商資源部の技術革新プログラム、保健福祉部の保健医療技術研究開発事業の支援で遂行された。また、この研究は、1月20日、国際ジャーナル、Advanced Optical Materialsに掲載された。(論文題目: High Contrast Ultrathin Light-field Camera using inverted Microlens arrays with Metal-Insulator-Metal Optical Absorber)
 
(参考記事:「韓国KAIST「次世代量子光源のための半導体量子ドット対称性制御技術を開発」」)
(参考記事:「韓国KAIST教授、メモリ中心のAIシステム開発発表」)
(参考記事:「韓国KAIST「AIを利用して素材を探索する方法を開発」…素材の逆設計に適用」)


 
 
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