[特集]韓国株式市場の上昇率が突出…日中米と比較 個人投資家急増は不安要因にも

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[特集]韓国株式市場の上昇率が突出…日中米と比較 個人投資家急増は不安要因にも

韓国の全国経済人連合会(全経連)が、世界の主要な株式市場と韓国の株式市場を比較した調査結果を発表した。(2020年基準)NYや東京などの主要市場に比べ、韓国のそれはどのような特徴を持っているのか。以下に概要を掲載する。

全経連による、昨年、世界の主要市場の上昇は、各国の通貨拡大政策や金利の引き下げなどによって生じた豊富な流動性により上昇したことに原因があると指摘。一方で、2020年の各国の経済成長率や企業業績はほとんどマイナスを記録したことから、「証券市場の上昇と経済の基礎体力の間に大きな乖離を見せた」と分析した。

 
(参考記事:「[特集]コロナ下の韓国企業、賃金削減など「非常経営」が4割…政府対応には肯定多数」)
 

全経連は、特に韓国株式市場の場合、世界的な主要経済指標に比べ株価変動が大きく、特定の企業への依存が高かったと言及した。また、昨年は、韓国の株式市場は個人投資家の取引の割合が急増しており、今後の株式市場の不安要因として作用するという考えを示している。

*調査対象:NY証券取引所、東京証券取引所、上海証券取引所、香港証券取引所、韓国取引所
 

(グラフ:全経連調べをもとに本紙作成)

 

コロナ以降の伸び、KOSPIが最大

新型コロナウイルスの影響により、調査対象市場の株価指数は2020年3月に底根を記録したが、それ以降は豊富な流動性をもとに、急激に回復した。特にKOSPI(韓国総合株価指数)の場合、19年末比で20年末の上昇幅*が30.7%となり、調査対象市場の指数の中で最も高かった。

* S&P500 16.2%、日経225 16.0%、上海総合株価指数13.9%、ハンセン指数△3.4%
 

株価上昇の理由は豊富な流動性

各国政府は、新型コロナウイルの影響により景気が急激に低迷するなか、通貨供給の拡大、金利の引き下げなどの金融緩和を進め、その影響で株価も上昇した。米国・日本・中国・韓国の毎月のM2 (マネーサプライ)と株価指数の上昇は比例することが分かった。
 

経済成長率や企業業績はマイナス

一方、新型コロナウイルスにより、企業業績や経済成長率は大きく下落した。20年の経済成長率は、すべての調査対象国・地域で前年比下落となっており、中国を除く各国・地域(アメリカ、日本、香港、韓国)はマイナス経済成長となる見通しだ。企業業績も低調である。調査対象指数に属する上場企業の2020年1〜3月期の累積売上と営業利益は前年同期比で大幅に下落したことが分かった。
 

特定の企業株への依存高く

20年の株価変動は上海総合株価指数を除くすべての調査対象指数で前年比大幅の上昇となった。KOSPIの場合、19年の株価上昇率は17.7%となり、調査対象の中で最も低かったが、20年には97.1%と最も高かった。

調査対象指数の時価総額のうち、1位の企業が全体の時価総額に占める割合を調べた結果、KOSPIではサムスン電子28.4%と最も高く、ハンセン指数ではテンセントの16.6%、S&P500ではアップル6.7%の順となった。
 

(グラフ:全経連調べをもとに本紙作成)

 

韓国は個人投資家の比率が急増

20年の韓国有価証券市場における個人投資家の取引の比率は、最近5年間で最も高いことが分かった。個人投資家の取引の比率は、16年〜19年は50%前後で推移していたが、20年には65.8%を記録した。こ前年比で18.3%pも急増した。
 

21年は企業利益裏付け無ければ下落も

多くのグローバル金融企業が、21年も、豊富な流動性と新型コロナウイルスワクチンの普及により、株価が上昇すると予測する中で、経済成長率・企業の実績裏付けがなければ下落するとの見通しも出ている。モルガン・スタンレーは、21年に企業による利益の裏付けがなされない場合は、S&P500が8%下落する可能性があると予測している。

全経連は、「特に、個人投資家の割合が高い韓国の場合、実体経済が株価を支えられず、株価が急落した場合、個人投資家の被害が大きいと予想される」と警鐘を鳴らしている。
 
 
(参考記事:「[特集]次世代産業の競争力…韓国には厳しい予想」)
(参考記事:「[特集]韓国の半導体素材や部品などの国産化政策…1年半の経過」)
(参考記事:「[特集]サムスン終わりの始まりか…総帥の実刑判決でコングロマリット空中分解の恐れ」)


 
 
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