懲役2年6ヶ月を宣告されたサムスン電子の総帥であるイ・ジェヨン副会長に対し、韓国法務部(日本の法務省に相当)が就業制限を通知したことが確認されたと韓国メディアが報じている。就職が制限されると、イ副会長は、経営活動に関与することができなくなる。
(参考記事:「[特集]サムスン終わりの始まりか…総帥の実刑判決でコングロマリット空中分解の恐れ」)
ハンギョレ新聞は16日、法務部の「経済事犯専門チーム」が前日、イ副会長側が就業制限対象者であるという事実と就業承認申請手続きなどを通知したと報じた。イ副会長の刑が最終確定されてから3週間ぶりだ。
イ副会長は先月18日、パク・クネ前大統領とチェスンシル(改名後チェソウォン)氏に対し、86億8000万ウォンのサムスン電子会社の資金を横領し賄賂として渡した罪で懲役2年6ヶ月の実刑を宣告された。以後、イ副会長側が控訴をせず、先月25日に刑が確定した。
特定経済犯罪加重処罰法は、5億ウォン以上の横領・背任の疑いで有罪判決を受けた場合、当該犯罪に関連する企業に就職することができないように明示されている。就業制限は、懲役刑の場合執行が終了した後も5年間、執行猶予期間が終了した後も2年間適用される。
その場合、イ副会長が2022年7月に満期出所しても、2027年7月まで5年間は、サムスン電子に在職することができないということだ。そうなれば、服役期間も含め計6年半も事業から遠ざかることになり、事実上の引退に追い込まれる可能性がある。
過去にSKグループのチェ・テウォン会長やハンファのキム・スンヨン会長が就業制限の対象となったことがあり、キム会長は2014年に就業制限の通知を受けた後に会長をはじめとするすべてのグループ内の職から退いた。一方で、チェ会長に関しては、無報酬という理由で経営活動を続けている。
イ副会長は、今後、法務部に就職承認申請をして審議を受けることはできる。その場合、法務部長官の諮問機関である「特定の経済事犯管理委員会」が会議を開いて審議し、これを法務部長官が最終承認する可能性は残されている。
申請が却下された場合でも、SKのチェ会長のように、無報酬という形で経営権を維持する道もあるが、法の趣旨を棄損するとの批判が出る可能性もあり、その動向が注目される。
(参考記事:「懲役判決のサムスン総帥が「獄中経営」を実行か?」)
(参考記事:「サムスンがフッ化水素を再利用か…使用量最大9割減?」)
(参考記事:「サムスンがクアルコムのモデムチップを4ナノで製造か…内外メディア報じる」)
(写真:サムスン電子のイ・ジェヨン副会長=同社提供)