[特集]ヒュンダイ「コナEV」の火災原因(韓国当局発表全文)

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[特集]ヒュンダイ「コナEV」の火災原因(韓国当局発表全文)

韓国の国土交通省は24日、リコール措置後も火災事故を起こしたヒュンダイ自動車の電気自動車「コナEV」について、追加のリコール措置および事故原因についての説明資料を発表した。以下に全文を翻訳・掲載する。
 
(参考記事:「韓国政府「ヒュンダイEV車の火災原因は電池の製造不良」 供給社のLGは反発」)
(以下)
 
国土交通省(大臣ピョン・チャンフム)は、ヒュンダイ自動車㈱で製造・販売されたコナ電気自動車など3車種26,699台において製造欠陥が発見され、自発的な是正措置(リコール)がなされると明らかにした。

リコール対象は、ヒュンダイ自動車のコナ電気自動車(OS EV)25,083台、アイオニック電気自動車(AE PE EV)1314台、エレクシティー(電気バス、LK EV)302台の計26,699台である。

ヒュンダイ自動車で製造・販売したコナ電気自動車(OS EV)など3車種はLGエナジーソリューションの中国南京工場で初期生産(’17 .9〜’19 .7)された高電圧バッテリーの一部のセルの製造不良(負極タブ折り畳み)による内部ショート、火災が発生する可能性が確認され、3月29日から高電圧バッテリーシステム(BSA)の両方を交換する是正措置(リコール)に入る。

今回の措置は、是正措置(’20 .10.16日から施行)を受けたコナ電気自動車(BMSの更新、バッテリー未交換)で火災が発生(21 .1.23、大邱)したことにより、これを補完するためのもので、中国の南京工場で特定の時期(’17 .9〜’19 7)に生産された高電圧バッテリーを装着した車両のすべてが対象である。

韓国交通安全公団の自動車安全研究院(KATRI)は、昨年10月から最近まで、リコールで回収された高電圧バッテリーの精査と火災再現実験などを進めてきた。

現在までにKATRIと関連の専門家合同調査の結果によると、まず、人為的な火災再現実験によるバッテリーセル内部の熱暴走試験で発生した火災の映像が、実際のコナEV火災映像(大邱・漆谷CCTV、’20 .8.7)と似ていること確認した。
 

(画像左:コナEVの火災映像/画像右:KATRIなどが行った火災再現実験映像/韓国国土省提供)

 
第二に、大邱で最近火災を起こした(21 .1.23)車両の中間調査の結果、火災は3番パック左側のバッテリーセルから発生し、内部正極(+)タブの一部が火災で焼失したことを確認した。
 

(画像左:大邱火災車両のバッテリー/画像右:左側セル(50番)CT内部および正極(+)喪失/韓国国土省提供)

 
第三に、リコールで回収された不良高電圧バッテリーの分解による精密調査の結果、セル内部の並べ替え不良(負極タブ折り畳み*)により、火災が発生する可能性を確認し、火災の再現実験中である。(現在までに火災未発生)

*負極タブの折り畳みにより負極にリチウム副産物が析出し、析出物が正極に拡散し、正極タブと接触・ショートの可能性
 

(写真:負極タブ折り畳み及びリチウム副産物析出、拡散(負極→正極)を確認/韓国国土省提供)

 
また、コナ電気自動車のバッテリー管理システム(BMS)の更新(’20.3月から無償修理)時にBMS充電マップのロジック誤適用を確認し、これにより、急速充電時のリチウム副産物析出を増加させるなど、火災発生との関連性があるかどうかを追加確認する計画だ。

*ヒュンダイ自動車-LGによるコナEV 4台のバッテリー分解の結果、充電マップロジックの誤適用と、通常の適用との間の有意な差を判断することが困難だったため追加の調査が必要

第四に、’20年10月のリコール時、その原因としてバッテリーセル分離膜の損傷が確認され、分離膜に損傷のあるバッテリーセルで火災再現の実験中*であるが、現在までに火災は発生していない。

* 369回の充放電の実施、約147,600キロ走行に対応

最後に、過充電による電池の火災発生の可能性と関連しては、バッテリー管理システム(BMS)で過充電を遮断*していることを確認した。

*過充電防止機能2段階の動作確認:過充電時1段階でBMSがリレーブロック、2段階(1段階でブロックされない場合)でOPD(Over-voltage Protection Device)が電流を遮断

ヒュンダイ自動車とLGエナジーソリューションは、KATRIの欠陥調査が完了していないなか、BMSの更新で火災の危険性がある一部電池を完全に抽出することが困難である点を勘案し、消費者保護のため既存の高電圧バッテリーシステム(BSA)を改善された製品に全量交換することを決定した。

国土交通省は、現在進行中のKATRI主管の火災再現実験など、いくつかの完了していない欠陥調査を引き続き推進しながら、今回の是正措置(リコール)の適正性も調査し、必要に応じて補完措置を行う計画であり、継続的に増加している電気自動車の火災安全性確保のための制度改善対策は、3月までに用意する計画である。

今回のリコール対象車は、3月29日から段階的に*ヒュンダイ自動車の直営サービスセンターとブルーハンズで無償修理(高電圧バッテリーシステムの交換)を受けることができる。

*車両製造年度別に区分して’18年以前に製造された車両から実施(コナEV ’21 .3.29、エレックシティとアイオニックEV ’21 7.1)

今回の欠陥是正に関連して、ヒュンダイ自動車は、自動車の所有者にメールや携帯電話のテキストで是正方法などを発表し、欠陥是正前の車の所有者が欠陥を自費で修理した場合は製造会社に修理費用の補償を申請することができる。

(以上)(一部割愛)
 
 

■LGエナジーソリューション側の声明
 
LGエナジーソリューションは韓国国土交通省の上記発表を受け、同日に声明を発表した。以下に全文を掲載する。
 
(以下)
 
今回のリコール追加実施に関連し、原因究明等の調査は完了していないが、消費者の安全を最優先に、国土省とヒュンダイ自動車と共にリコール措置が円滑に行われるように積極的に協力する予定です。

リコールの理由で言及されたバッテリーセル内部の並べ替え不良(負極タブ折り畳み)については、国土省の発表どおり、再現実験で火災が発生しておらず、直接の原因としてみるには難しく、(LGの)南京(工場)にあるヒュンダイ自動車専用の生産ラインにおける量産初期の問題として既に改善適用されています。

また、ヒュンダイ自動車のBMS充電マップ誤適用については、当社が提案した急速充電ロジックをヒュンダイ自動車側がBMSに誤って適用したことが確認されており、火災発生と関連があるかについては、関連機関と協力してさらに確認していく予定です。

また、LGエナジーソリューションは、製品の設計段階から製造、検査などすべての過程で、安全性をより一層強化していきます。

一方、昨年10月に火災の原因として提示された分離膜の損傷と関しては、合同調査団による再現実験の結果、火災との関連がなかったことが確認されたことお知らせします。
 
(以上)
 
(参考記事:「ヒュンダイの市バス(EV)で火災事故…電池は「コナEV」と同じLG製と判明」)
(参考記事:「ヒュンダイの「コナEV」は電池全量交換へ…リコール後も火災発生で」)
(参考記事:「プログラム修正後も出火のヒュンダイ「コナEV」、バッテリーなど原因諸説上がる」)


 
 
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