[特集]韓国の創業状況と課題(大韓商工会議所報告書)

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[特集]韓国の創業状況と課題(大韓商工会議所報告書)

大韓商工会議所(KCCI)は1日、「ダイナミックな創業生態系の造成のための政策提言」という報告書を発表した。以下に概要を掲載する。

KCCIは同報告書のなかで、「新型コロナウイルスにより産業・経済構造が急速に変化する状況で、経済活路を開拓するために、動的な創業の生態系づくりが必要だ」と主張した。

KCCIは、「ダイナミックな創業生態系」の定義として、創業関係者(創業者・投資家・政府)によるLife Cycleが好循環する企業環境と説明した。続いて、創業の生態系が好循環するとき、新産業中心の産業構造の再編と新たな雇用を創出する革新的な成長が可能であると主張した。
 

量的には成長も、質的にはOECD平均以下

KCCIは、創業生態系が量的には成長しているが、質的な成長が不十分であると分析した。量的側面から見ると、過去5年間(’16年〜’20年)ベンチャー投資額は2兆1,503億ウォン(約2047億円)から4兆3,045億ウォン(約4097億円)へと100.2%増加し、投資件数は2,361件から4,231件79.2%増加。被投資企業数は1,191件から2,130件へと78.8%増加した。

一方、質的な側面からみたとき、創業企業の生存率は低いことが分かった。KCCIは、韓国とOECD(加盟国平均)の1〜5年目の生存率の差は約15%pあり、韓国がOECD加盟国に比べて相対的に低いことが分かった。

韓国創業企業の5年目の生存率は29.2%だ。創業の参入障壁が低い、いわゆる「生計型創業」のうち、文化・スポーツ・レジャー業や宿泊・飲食業などの生存率がOECD平均を大きく下回わるなかで、21年には新型コロナウイルスの長期化の影響で生存率がさらに低くなると予想された。
 

何が問題か

報告書は、韓国の創業生態系の題として、①過度な創業規制②ベンチャーキャピタルの役割の不十分③初期資金不足④回収市場の硬直化を指摘した。

まず、「過度な創業規制」について、KCCIは 「韓国で創業をするには、各種書類の作成に許認可まで事業の開始から活路を妨げる場合が多い」とし「また供給社中心の非効率的なサポートシステムにより、企業の立場としては、省庁ごとに異なり、毎回変わる政策に引き続き適応しなければならず、ビジネスを効率的に計画して運用するのは難しい」と指摘した。

第二は、初期の段階から果敢に投資する「冒険資本の役割」が不十分であると指摘した。KCCIは、「韓国のベンチャー投資パターンの推移を見ると、比較的回収が容易な優先株の割合が高まっている」としながら、「普通株式の場合、IPO・M&Aがされない限り元金回収の不確実性が高いからだ」と評価した。

第三に、「初期資金不足」の問題を指摘した。創業は、成長の段階に応じた投資金を誘致することが重要で、特に初期段階のSeed-Money(エンジェル投資・ベンチャーキャピタル)は、創業の成否を左右する。韓国は毎年ベンチャー投資が増えているが、米国と中国とは異なり、投資の半分以上が、中間・後期の段階に集まっており、多くの創業者が初期の資金不足を訴えている状況である。

第四は、硬直した回収市場を問題にした。報告書は、「韓国の回収市場は硬直しており、新規投資の流入・活性化が阻害されている」とし、「特にM&Aの割合は、米国の45%に比べて、韓国は約1%にすぎず、市場での役割は、ほぼゼロに近い」と評価した。これは、大企業の中小企業M&A否定的な認識、所有と経営が不確実な企業ガバナンス、中小企業の会計資料不信など、社会・構造的問題から来ていると推定した。
 

国は創業環境を整える必要がある

報告書は、ダイナミック創業生態系造成のための4つの政策課題を提言した。KCCIは、「昨年から新型コロナウイルスにより、創業企業にとって最も重要な財源調達手段である投資ミーティングのキャンセル及び投資決定の遅れなどがあり、深刻な打撃を受けている」とし「創業の生態系が萎縮している状況の解決策が必要だ」と述べた。

まず、「法・制度の革新」を促した。新しい技術と産業の胎動との融合が予想される4次産業革命とポストコロナ時代を迎え、創業に関する法・制度環境を大きな枠組みで整備する必要があるということだ。特に報告書は、「創業に関する法・制度の手続きを大幅に簡素化し、各種支援窓口を一本化して、現場の混乱を減らす」とし「創業の参入障壁を下げ、ベンチャー投資が簡単になるように、法・制度的環境を改善しなければならない」と提案した。

第二に、「創業インフラの拡充」を提案した。報告書は、創業関連One-Stopサービスを受けることができるシステムを設け、グローバル進出を目的とする韓国型ユニコーン企業を育てなければならないと主張した。創業の革新拠点を設け、ここで試作や、金融機関の資金調達、国内外販路開拓など、創業の開始から終了まで、すべてが一箇所で一度にできるようにすることで、創業を支援しなければならないと主張した。

「民間資本参加を有効にする制度の改善」も主張した。KCCIは、「創業企業に投資する民間資本を対象に税額控除、法人税の減免などのインセンティブ誘引策が必要だ」とし、「資金力が豊富な大企業、海外企業の参加誘導を拡大することができよう、関連法・制度の改善も必要だ」と提案した。 「創業が自由に、投資が簡単になるように制度的環境が造成されれば、昨年のベンチャー投資金額(4兆3,045億ウォン)よりもはるかに多くの投資が活性化されるだろう」と評価した。

最後に、「創業に失敗した後、再挑戦支援の強化」を提案した。報告書は、創業に失敗しても再創業の恐怖を克服することができるセーフティネットの強化が必要だとし、従来の単純な資金支援政策で再創業教育、専門家の指導、連帯保証基準の緩和など、さまざまな支援策作りを要請した。

イム・ジン=SGI(持続的な成長イニシアティブ)院長は、「誰でもアイデアひとつで創業に挑戦し、冒険精神が補償される環境を作らなければならない」とし、「ダイナミックな創業生態系組成により革新経済の突破口を開いて成長動力のエンジンとし、第2・第3のベンチャーブームを再び有効にする必要がある」と強調した。


 
 
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