[特集]韓国は日本の基幹産業保護政策をベンチマークすべし…韓国シンクタンクが提言

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[特集]韓国は日本の基幹産業保護政策をベンチマークすべし…韓国シンクタンクが提言

韓国経済研究院(KERI)は15日、「日本の基幹産業保護措置強化と急がれる韓国のベンチマーキング」というプレスリリースを公開し、韓国は基幹産業の保護政策が不十分であると指摘した。
 
(参考記事:「[特集]ESG経営ができない韓国企業は存続できない?韓国の経団連が警鐘」)
 
KERIによると、最近、日本では、コア技術の流出防止と基幹産業保護のために、海外資本による国内株式取得に関する事前届出制度を強化したのに比べ、韓国は基幹産業の保護に関連する制度が不十分であり、改善が急がれるという提言している。

KERIは今回、チェ・ジュンソン成均館大学名誉教授に依頼し、「国家基幹産業保護のための外国人投資規制-日本の事例を中心に」という報告書を作成・公開した。以下に概要を掲載する。
 

日本は海外資本の国内上場企業などの株式取得に関する事前届出制度の強化

報告書によると、日本は2019年〜2020年の外国人投資家による上場企業など日本企業の株式取得等に関して、事前届出要件を厳しくする方向のもと、「外国為替および外国貿易法(以下、外為法)」政令および告示を大幅に改正した。国家の安定などを毀損するおそれがある外国人投資に対して、政府次元の対応力を確保するという趣旨(注1)であると指摘する。

注1:「金融・資本市場から見た外為法の改正とその注目点」(西山賢吾) 野村資本クォータリー 2020 Spring  「外為法改正-対内直接投資に関する事前届出審査制度への影響」(東陽介・大川信太郎)2019

まず、2020年5月から事前申告の対象となる株式の取得比率の基準を既存の10%から1%に変更した。次に、事前申告対象業種を拡大した。当初対象業種は、国家の安全、公序、国家経済の円滑な運営などのために管理が必要な業種に航空機、原子力、電気・ガス、通信・放送、航空運輸などだった。

同法告示を改正し、2019年8月から安全保障上重要な技術流出と国家防衛生産・技術基盤毀損を防止するために集積回路製造業などを対象業種にさらに追加した。同法は、海外資本の申告のない投資または投資変更及び中止命令違反については、その株式の売却などを命令することができる。

日本の財務省によると、2020年7月現在、全上場企業(3,822社)の56.5%が、事前申告対象に該当する。トヨタ・ホンダなどの自動車会社や、ソニー・東芝・シャープなどのエレクトロニクス企業だけでなく、配信アプリ運営の出前館や銭湯チェーン運絵の極楽湯ホールディングスなども、子会社等の業務関連で申告対象に含まれた。

一方、日本の財務省は、上記のような外為法改正が、外国人投資を萎縮させる可能性についても考慮し、国の安定を毀損するおそれが少ない投資について、「事前免除制度」を設けることで補完した。具体的には、政府系ファンドのような金融機関とファンドの「包括免除制度」、金融機関以外の投資家のための「一般免除制度」を導入し、株主提案や役員選任など、株主行動主義の活動をしていない場合には、株式取得比率10%まで事前申告義務を免除するようにした。
 

米国、欧州なども海外資本の対内投資規制強化

報告書によると、西欧先進国も海外資本の国内投資規制を強化していることが分かった。米国は2020年2月から「外国人投資リスク審査の近代化法」(Foreign Investment Risk Review Modernization Act、FIRRMA)を全面施行した。 EUは加盟国レベルで外資規制を強化したうえ、2020年10月から、EUおよび加盟国との間の対内直接投資に関する協力・情報共有システムに関するEU規定を適用し始めた。日本の最近の外為法改正も、先進国の投資制度の整備動向に足並みを合わせるものであり、安全保障の観点から重要であると評価される。
 

日本の海外資本管理制度をベンチマーキングし、国益の確保と外資誘致の円滑化を

チェ・ジュンソン成均館大名誉教授は、「韓国は基幹産業保護法が正しく整備されていないのに、企業を攻撃して経営権を侵害するような法律だけ導入されている」と憂慮した。チェ教授は「最近、対内直接投資の管理が強化された国を避け、センシティブな技術の獲得などを目的とする投資が増加している」と指摘し、「韓国が敏感な技術流出の穴(loophole)となる事態を防止するために、重要業種への投資の事前申告を強化する一方で、事前申告免除制度の導入を並行して、外国人投資家がスムーズに持続できる基盤を用意しなければならない」と強調した。
 
(参考記事:「スパコンで日本に完敗し政府批判噴出の韓国、今度は期待論浮上…英ARM技術協力で」)
(参考記事:「韓国がパワー半導体のSiC素材検査技術を国産化…「日本の半分のコストで開発」」)
(参考記事:「[特集]韓国企業には「三重苦」? デジタル税や炭素税で負担急増と議論」)


 
 
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