韓国KAISTの研究チーム、テラバイト(TB)単位のメモリを開発

半導体 研究開発

韓国KAISTの研究チーム、テラバイト(TB)単位のメモリを開発

韓国科学技術院(KAIST)の研究チームが、不揮発性メモリ(NVDIMM)と超低遅延SSD(半導体貯蔵装置)を一つのメモリに統合し、一部のグローバル企業が開発中の永続性メモリよりも優れた性能と容量を持つメモリ技術を開発した。
 
(参考記事:「KAIST、寿命の長い次世代電池「高容量リチウム過剰正極材料」を開発」)
 
KAIST電気電子工学部のジョン・ミョンス教授の研究チーム(コンピュータアーキテクチャ及びオペレーティングシステム研究室)が、不揮発性メモリと超低遅延SSDを一つのメモリ空間に統合する「メモリーオーバーストレージ(Memory-over-Storage、MoS)」技術の開発に成功したことが3月16日、明らかになった。

研究チームが開発したこの技術は、既存のストレージ技術を活用し、Intel社のOptaneメモリの4倍以上の、テラバイト(TB = 1024GB)水準の貯蔵空間を提供する。処理速度に関しては、揮発性メモリと同程度の速度でデータを処理できる。

NVDIMMはオペレーティングシステムを介さず、CPUが直接接近できるという長所を持つ。しかし、既存のNVDIMMは、Dメモリをそのまま活用する上に、バッテリーの大きさに限界があるため、大容量のデータが処理できないという問題点を持っている。この問題の解決方法には、Intel社のOptaneメモリ(Intel Optane DC PMM)やメモリドライブ(Intel Memory Drive Technology)技術などがある。しかし、このような技術は、不揮発性メモリに接近する際、オペレーティングシステムを介する必要があり、読み込み・書き込み速度はNVDIMMに対して50%程度である。

ジョン・ミョンス教授の研究チームが提案したMoS技術は、超低遅延SSDを主メモリとして活用し、NVDIMMをキャッシュメモリとして活用する。その結果、SSDの大容量の貯蔵空間がメモリとして使用可能になると同時に、NVDIMMを単独使用した際の処理速度に類似した処理速度を得ることができた。永続性メモリの持つ限界点を大幅改善したのである。

MoS技術はメインボードやCPU内部にあるメモリコントローラーハブ(MCH)に適用され、ユーザーの全てのメモリ要請を処理する。一般的に、ユーザー要請はNVDIMMキャッシュメモリで処理されるが、NVDIMMに貯蔵されていないデータの場合、超低遅延SSDからの読み込みが必要となる。この場合、既存の技術では、オペレーティングシステムがSSDの読み込みを処理する必要があるが、今回開発されたMoS技術では、MCH内部でハードウェアがSSDの読み込み・書き込みを直接処理でき、超低遅延SSDへの接近時に発生するオペレーティングシステムの入出力オーバヘッド(追加で必要な時間)を緩和し、大容量のSSDをメモリ用途として使用できる。

今回、研究チームが開発したMoS技術は、ソフトウェア基盤メモリドライブ技術やOptane永続性メモリ技術に対して45%低いエネルギー消耗量で110%のデータ読み込み・書き込み速度を達成している。このような優れた性能から、このメモリは、大容量のメモリが必要で、停電によるシステム障害に敏感なデータセンター、スーパーコンピュータなどに使用されている既存のメモリや永続性メモリを代替できると考えられている。

ジョン・ミョンス教授は、「永続性メモリ技術は、一部の海外(グローバル)企業が主導しているが、今回の研究成果を基盤に、国内(韓国)技術と既存のストレージ及びメモリ技術を通じて、市場での優位を先占できる可能性が広がったという点で意義がある」と述べた。

この研究は、科学技術情報通信部と韓国研究財団が推進する優秀新進(中堅連携)事業、KAIST定着研究事業などの支援で遂行された。この研究は、2021年6月に開催予定のコンピュータアーキテクチャ分野の学術大会、「ISCA(International Symposium on Computer Architecture)」で論文として発表される予定である(論文題目: Revamping Storage Class Memory With Hardware Automated Memory-Over-Storage Solution)。また、研究結果に関する詳細情報は研究室のホームページ(http://camelab.org)で確認できる。
 
(参考記事:「KAISTの研究チーム「解像度高めた薄型4Dカメラを開発」発表」)
(参考記事:「KAISTの研究チーム、深層学習を利用した遺伝子転写因子予測システムを開発」)
(参考記事:「韓国KAIST「次世代量子光源のための半導体量子ドット対称性制御技術を開発」」)


 
 
あなたの感想をSNSでシェアする


この記事について、あなたの感想は?
  • 強い関心がある
  • 関心がある
  • どちらでもない
  • 関心がない
  • 全く関心がない