[特集]貿易技術障壁に対応しないと韓国の輸出が狭まる(KCCI)

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[特集]貿易技術障壁に対応しないと韓国の輸出が狭まる(KCCI)

大韓商工会議所(KCCI)は22日、「貿易技術障壁(TBT)の動向と対応課題の研究」という題のレポートを公開。先進国において保護貿易主義が台頭するなか、貿易の技術障壁まで重なり、韓国の輸出促進に懸念が生じていると主張した。以下に概要を掲載する。
 
(参考記事:「[特集]グローバル企業をめぐる韓米税制の現況と必要改善点…韓国シンクタンクが提言」)
 
KCCIはレポートを通じて、最近、貿易取引における技術障壁の動向と特徴を分析し、政策課題と対応策を提示した。貿易技術障壁(TBT)とは、国家間のさまざまな技術規制や基準などにより貿易に障害が発生することを包括的に指すものであり、非関税障壁がその代表的な例の一つである。

レポートによると、貿易技術障壁(TBT)は、’95年の世界貿易機関(WTO)発足以来、年平均11%ずつ増加している。特に2018年からは3年連続で3千件以上の技術障壁が生じており、毎年最大値を更新している。最近15年の間に世界のTBT通報件数は3.7倍に増加(2005年897件→2020年3,354件)し、そのなかで韓国の10大輸出国の規制は、5.2倍(2005年164件→2020年849件)増加した。

WTOに報告された新規TBTの通報(累積基準)は、有害物質の使用制限など健康・安全関連事項が13,638件で最も多かった。続いて技術仕様などの品質関連事項が4,575件、虚偽表示など消費者保護関連件4,401件、環境保護3,444件の順だった。

国別では米国が1,847件で最も多かった。続いて、中国(1460件)、EU(1,360件)、イスラエルの(1230件)、ウガンダ(1,227件)の順であり、韓国は9位(1,014件)を占めた。韓国の輸出多様化のターゲットである「新南方地域」(インド+ ASEAN、11カ国)は1,866件で、米国、中国、EUを上回った。

KCCIは、「米中貿易紛争や保護貿易主義の台頭で、韓国企業は、新興国などの輸出市場の多様化が切実だが、主要輸出国だけでなく、発展途上国の輸出障壁さえ高まっている現実」と、「健康・安全関連規制が多かっただけに政府が貿易の技術規制対応支援を積極的に拡大しなければならない」と提言した。

レポートでは、最近の貿易技術障壁の特徴として、デジタル・環境関連規制の強化、新興国規制の増加、新規自由貿易協定(FTA)を通じた規制強化などを挙げた。

EUサイバー保安法(2019年)、アメリカの連邦情報セキュリティ管理法(2014年)、中国のネットワーク安全法(2017年)施行など、最近のデジタル・環境関連貿易の技術規制がさらに拡大しているとレポートは指摘している。特に環境関連におけるEUのエコデザインの規定は、エネルギー効率のだけでなく、商品の耐久性・再生の可能性を評価する要件まで今後加わる予定であり、再生可能エネルギーの使用拡大の規定などの技術規制が新たな貿易障壁として作用していると指摘した。

新興国のTBT件数拡大(2005年65.1%→2020年75.6%)も最近の特徴として挙げた。 2017年、低開発国のTBT新規通報件数はすでに先進国を超え、新興国は自国の産業の育成と消費者の安全保護の観点から貿易の技術障壁を活用している。主要新興国は相対的に自動車品目規制が多く、環境・衛生関連の規制は少ないことが分かった。

これとともに、新規自由貿易協定(FTA)を介して貿易技術障壁が強化されている点も言及した。包括的・段階的環太平洋経済連携協定(CPTPP)は、韓国が既存のFTAに含まなかった技術基準が設けられた。主流として、製品表記のラベル、付着方式などが定められ、化粧品は動物試験が禁止されたり、市販の許可手続きがなくなった。情報通信分野は、特定の暗号アルゴリズムの要求を禁止するなど、CPTPP登録のためには貿易の技術規制への対応が必要であると指摘した。

レポートは、貿易技術障壁に対して、企業も対応能力を確保しなければならないと指摘した。このため、▲TBT迅速対応(通報文案内WTO e-Ping、国標院KnowTBT活用)▲TBTコンサルティングと規制対応政府支援の活用▲政府の技術協力事業に積極的に参加▲技術規制対応専門人材の確保▲ESG経営を通じたグローバルトレンド変化への対応などを提示している。

また、政府の政策課題として、国際標準化の過程に参加し、国際標準をリードし、市場の多様化に備え、途上国との技術標準協力強化を提示した。また、TBT被害のレベル、中小企業支援など政府の対応の成果を数値化して対応システムを改善しなければならないと強調した。これと共に、政府支援による両者の協力や、FTA委員会、WTO委員会などを通じた問題解決をさらに活性化して、最近の技術動向を把握し、先制的に技術規制に対応しなければならないと助言した。

ウ・テフィKCCI常勤副会長は、「域内包括的経済連携協定(RCEP)などのメガFTA妥結で関税は引き続き低くなる一方、非関税障壁は増えているが、その中でも貿易の技術規制は最も大きな割合を占める輸出の障壁」とし、「保護貿易主義が増える今、TBT克服は、ポストコロナ時代輸出の回復の必須条件であるだけにTBT対応のための政府と企業の協力が切実だ」と述べた。
 
(参考記事:「[特集]韓国は日本の基幹産業保護政策をベンチマークすべし…韓国シンクタンクが提言」)
(参考記事:「[特集]韓国の国際特許出願数が世界4位に…ドイツを抜き日本に迫る」)
(参考記事:「米、WTOの対韓国関税めぐり控訴…1審は米措置8件に是正勧告」)


 
 
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