[特集]韓国の外資系企業は今年も投資と雇用を減らす…経済団体調べ

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[特集]韓国の外資系企業は今年も投資と雇用を減らす…経済団体調べ

 全国経済人連合会(全経連)は30日、韓国に所在する外資系企業が今年どのような投資行動をとるかについてアンケート調査を行った。以下に概要を掲載する。
 
(参考記事:「[特集]韓国は日本よりも一人当たりGDP成長速度が遅い…シンクタンクが分析」)
 
 同調査によると、外資系企業は今年、10件のうち1件だけが、採用を増やす計画であることが明らかになり、「凍った国内の雇用市場で外資系企業の採用もしばらく寒波が続くことが分かった」と全経連は説明した。全経連は、従業員数100人以上の外国人投資企業を対象に実施した。

 *調査期間:2021.2.22(月)-3.19(金)、調査対象901社のうち120社から応答(回答率約13.3%)

 外資系企業10社のうち1社だけが今年の採用を増やすと答えた。これは新型コロナウイルスが発生した昨年と似たような水準であり、外資系企業もコロナの影響からまだ抜け出せずいることを示している。採用計画を問う質問に対して新規採用を増やすと答えた外資企業は、昨年が9.1%、今年は11.6%となり、ほぼ横ばいであった。昨年、採用実績が減ったと回答した企業は26.7%に達している。

外資系企業(84.2%)の新規採用において大きな変化がない一方で、今年の採用を減らすという企業(4.2%)は昨年(26.7%)より減少していることは肯定的な要因であると全経連は評価した。

今年、採用人員を増やす計画だと回答した外資系企業は、その理由として「韓国内の売上高の増加(47.2%)」、「離職による業務の空白を補完(30.6%)」を主な原因として答えた。これは、韓国経済研究院(以下韓経研)の調査結果(※1)とは対照的である。同調査では、韓国企業が今年上半期の新規採用を増やす理由として「景気の状況に関係なく、将来の人材確保(75.0%)」、「新産業や新職群の労働力需要の増加(8.3 %)」のためだと答えていた。外資企業が新規採用において最も重要とみているのは「売上高の増加」であり、今後韓国市場内での売上高が増えてこそ、雇用も増えると考えられる。

(※1)韓経研、「2021年上半期の主要な大企業の大卒新規採用調査」、2021.3月

一方、昨年の外国人投資企業の新規採用は新型コロナウイルス発生前の’19年と比較して、平均4.5%減少しており、今年は前年比平均2.4%増えるとの調査結果が出た。

今年、新規採用計画を立てたり、既に採用したりした外国人投資企業は、新卒およびキャリア採用の割合を40.2%:59.8%と答えており、キャリア採用の割合が新卒より約50%高いことが分かった。

また、外資系企業の新規採用において理工系の割合が54.8%を占めると予想された。韓経研調査(※2)によると、昨年上半期の国内主要企業の理工系大卒新規採用職員は61.5%で、外資系企業の54.8%より6.7%p高かった。これは外資系企業が韓国企業よりも理工系の新規採用率が低く、理工系以外のスタッフを多く選抜する計画であることを示している。

外資系企業は、女性社員を30.2%採用することが分かった。これは、韓国の主要企業の女性社員の採用比率より高いレベルである。韓経研mp調査によると、’19年上半期の国内企業の大卒女性の割合は27.1%だった。

(※2)韓経研、「上半期500大企業の大卒新規採用調査結果」、2019.3月と2020.3月のプレスリリース

今回の調査に回答した外資系企業は、韓国政府、国会が雇用創出のために重点的に推進すべき政策について「規制緩和を通じた企業投資の活性化誘導(38.2%)」、「雇用の増加、企業税制優遇などのインセンティブの拡大( 30.3%)」、「弾力勤労制活用などで追加雇用誘導(13.5%)、「公共部門の中心の雇用拡大(10.4%)」、「革新産業の出現のための制度的支援(7.0%)」、その他(0.6% )の順で回答が多く、規制緩和が企業の投資を活性化させ、外資系企業が最終的に雇用創出につながるとみていることが分かった。

大半の外資系企業企業(85.0%)が、今年は韓国への投資において大きな変化がないと答えたなか、「減らす(8.4%)」という回答が「増やす(6.6%)」よりも高かった。また、外資系企業の韓国への投資は、今年は昨年に比べて0.4%減少することが分かった。

投資を縮小するという理由としては、「本社のグローバル投資計画に従う」という回答が32.1%と最も高かった。続いて「本社の事情悪化(25.0%)」、「コロナ19の状況持続(25.0%)」、「韓国内労働環境の悪化(10.7%)」、「過度の税負担(3.6%)」、「韓国内の事業見通しの悪化( 3.6%)」の順だった。これはコロナ19状況が続いているにもかかわらず、韓国進出外資系企業は、「本社のグローバル投資計画」を、他の理由よりも重要だと考えていることを示している。

キム・ボンマン全経連国際協力室長は、「韓国進出外資系投資企業の採用市場はコロナ19の余波で、まだ抜け出せずにいる」とし、「投資や売上高が増えれば採用も増えるが、外資系投資企業は今年の投資を増やす企業より減らす企業が多い」と述べた。その上で、韓国政府と国会は、「外資系投資企業が雇用創出のため規制緩和を通じた企業の投資活性化を望んでいる点に耳を傾けるべきだ」と語った。
 
(参考記事:「[特集]貿易技術障壁に対応しないと韓国の輸出が狭まる(KCCI)」)
(参考記事:「[特集]グローバル企業をめぐる韓米税制の現況と必要改善点…韓国シンクタンクが提言」)
(参考記事:「[特集]韓国は日本の基幹産業保護政策をベンチマークすべし…韓国シンクタンクが提言」)


 
 
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