韓国国内の半導体設計専門(ファブレス)企業が少しずつ海外に売却されているとの報道が出ている。韓国のマグナチップ半導体が中国資本に売却されたことで、同国では技術流出を懸念する声が大きくなっているが、ファブレス企業についても経営悪化などで、海外資本に買収される事例が後を絶たないという。
(参考記事:「韓国政府が阻止?…半導体企業の中国売却、国家核心技術有無を調査へ」)
韓国の専門紙であるETNEWS(4日)が同国の主要ファブレス企業の株主現状を調査した結果、海外資本が筆頭株主になる事例が増えていることが分かったという。最近6年間でみると、年に1回の割合で主要株主が外国資本に代わったとのこと。
ETNEWS によると、2015年6月に中国の東芯半導体が韓国メモリー開発メーカー「フェデリックス」の筆頭株主になったのに続き、2016年には江西聯創硅谷投資有限公司が韓国のタッチICメーカー「MELFAS」の新たな株主になった。
2017年には、ESWIN(奕斯偉)が、韓国のディスプレイドライバーICメーカーの「ワイドチップス」を買収し、2019年にはシリコンマイクロテクノロジー(香港)が、韓国の第1世代ファブレス企業とされる「シリコンマイタス」の筆頭株主になった。モバイル用特化メモリーを作る「済州半導体」は、筆頭株主ではないが、2018年にHsun Chieh Capital Corp(台湾)が2大株主となった。
同紙は、「投資は特定の目的によって行われる。収益の最大化や必要な技術や支援を受けようとする場合など様々だ」としつつ、「ところが、最近のファブレス買収の一部からは、中国の半導体自立の意思がうかがえる」と指摘した。
例として投資は、「実際に2017年、ワイドチップスを買収したESWINは、BOEを世界的ディスプレイ企業に育て上げたワン·ドンソン会長が設立した会社だ」とし、「同社は半導体の国産化を目標にスタートした」と伝えている。
(参考記事:「「韓国政府は自国半導体企業の中国への売却を防げ!」大統領府に請願が殺到」)
(参考記事:「中国による日米企業の合併非承認、韓国紙も注目…「米制裁が日本企業に飛び火」「中国が反撃」」)
(参考記事:「台湾エバーライトに罰金刑…ソウル半導体のLED技術流出事件」)