[特集]韓国への投資より海外への流出が多い…雇用流出の原因 半導体や自動車産業で顕著

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[特集]韓国への投資より海外への流出が多い…雇用流出の原因 半導体や自動車産業で顕著

韓国経済研究院(KERI)が製造業の海外直接投資(ODI)(注1)と外国直接投資(FDI)注2)の統計情報を基に、直接または間接雇用誘発効果を推定(注3)した結果、韓国の雇用環境がただでさえ困難な状況で、昨年製造業の雇用7.2万が海外に流出したものと分析された。韓経研は「海外に出て行った製造業の雇用7.2万人を維持できたなら昨年の失業率が4.0%から3.7%に0.3%p(注4)に改善された」と述べた。

*注1)海外直接投資(Outward Direct Investment)とは、海外子会社設立、企業買収や資本参加など、現地企業の経営参加を目的とする投資行為(金利、配当所得の目的裁定取引の間接投資を除く)

*注2)外国人直接投資(Foreign Direct Investment)とは、外国人が韓国企業の経営参加、技術提携などを目的として、当該企業が発行した議決権のある株式又は持分の取得などの投資行為

*注3)直接投資純流出額に就業誘発係数(その業界で最終需要が10億ウォン発生した場合、関連産業で誘発される就業者数)を乗じて、直接的または間接雇用誘発者推定

*注4)海外に出て行った製造業の雇用7.2万人/経済活動人口2801.2万人(2020年)×100

KERIによると、過去10年間で、韓国製造業企業の海外投資が、韓国に流入する外国人投資を大幅に圧倒しており、製造業の雇用が大挙して流出したことが分かった。 2011〜2020年の製造業の海外直接投資は年平均12.4兆ウォンに達したのに対し、外国人直接投資は海外直接投資の半分以下となる平均4.9兆ウォンだった。同じ期間、製造業の直接投資純流出額(FDI-ODI)は、年間△7.5兆ウォン発生し、これにより、直接的または間接雇用が毎年4.9万(累積49.1万)減少したと分析された。

業種別にみると、2020年基準の海外直接投資は、‣半導体(2兆6000億ウォン)、‣電気機器(2兆3千億ウォン)、‣自動車(2兆2000億ウォン)の順に高いことが分かった。これらの業種は、過去10年間(2011〜2020年)、製造業の中で、海外直接投資の増加額上位3台業種(注5)に属する。それに比べて、2020年基準の外国人直接投資は‣半導体(4億ウォン)、‣電気機器(9億ウォン)、‣自動車(4千4百億ウォン)などで低調だった。

*注5)’11年比2020年海外直接投資の増加額:半導体(2.2兆ウォン)、電気機器(2.0兆ウォン)、自動車(0.8兆ウォン)順

海外直接投資の急増、外国人投資流入の減少により、2020年基準の直接投資純流出額は‣半導体(△2兆5千億ウォン)、‣電気機器(△2兆2千億ウォン)、‣自動車(△1兆8000億ウォン)などだった。昨年、直接的または間接雇用流出規模は‣電気機器(15.5人)、‣自動車(14.5人)、‣食料品(9.3人)、‣医薬品(5.1人)、‣半導体(4.9人)の順であり、2011年に比べて約1.9 〜37.6倍高かった。KERIは「直接投資純流出額が高い業種の中でも就業誘発効果注」(※6)が相対的に高い電気機器、自動車、食料品などの雇用流出が目立つ」と述べた。

*注6)就業誘発係数(最終需要10億ウォン発生時の関連産業で誘発される就業者数):食料品14.9人、自動車8.2人、医薬品7.1人、電気機器6.9人、半導体1.9人(韓国銀行「産業連関表(「 18年)」)

KERIは「韓国の様々な企業関連の規制(注7)は、その中でも、硬直的な労働市場が国内投資と雇用の足を引っ張っていると見られる」と述べた。フレイザー研究所によると、韓国の労働市場規制、経済自由度ランキング(2020年)は、調査対象162カ国のうち145位、パキスタン(137位)よりも低く、労働の規制が非常に厳しい水準であるという。 WEFの労働市場競争力のランキング(’19年)(注8)も、韓国は調査対象141カ国のうち97位下位圏だった。韓経研は「労働市場の硬直性は、企業が経営環境の変化に柔軟に対応する困難に成長を阻害し、投資と雇用に悪影響を及ぼす」と指摘した。

*注7)外資系企業の国内投資の懸念要因(常時勤労者100人以上の外国人投資企業155社対象):政策の不確実性(25.9%)、過度な政府規制(24.9%)順(韓国産業連合フォーラム、’21。1月)

*注8)毎年国家競争力評価を行ってきた世界経済フォーラム(WEF)が2020年には主要国のコロナ19対応のための特別レポートで評価を置き換え、労働市場の競争力の評価は除外

チュ・グァンホKERI経済政策室長は、「海外投資の増加を悪く見るのではなく、それに相応するように、国内投資の流入が行われないことが問題」と、「ますます悪化している国内失業(注9)を解消するためには、少なくとも硬直的な労働市場、各種規制のために海外に流出していく事は防がなければならない」と強調した。

*注9)2021年1月現在の失業率は5.7%で、2000年1月(5.7%)以来、21年ぶりに過去最高水準
 
(参考記事:「[特集]韓国は自動車用半導体産業を育成すべき…シンクタンクが提言」)
(参考記事:「[特集]韓国企業はコロナで二極化、業種や規模で明暗くっきり(医療・製薬125.7%↑、機械72.8%↓)」)
(参考記事:「[特集]韓国政府と企業は半導体に死活をかけろ、慢心するな…現地経済人たちが警鐘」)


 
 
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