[特集]日韓関係の改善と経済協力について模索する韓国経済界…全経連セミナー

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[特集]日韓関係の改善と経済協力について模索する韓国経済界…全経連セミナー

 日本の経団連に相当する韓国の全国経済人連合会(全経連)は27日、ソウルで「2021新たな韓日関係のための二国間協力方案」セミナーを開催し、日韓関係の改善や協力案について議論した。セミナーには二階俊博自民党幹事長も祝辞(映像)を伝えた。
 
(参考記事:「韓国の経団連、駐韓日本大使に輸出規制緩和を要望…経済効果は8.7兆円」)
 
 同セミナーに出席したキム・ジンピョ韓日議員連盟会長は、「韓日政界が反日・嫌韓感情を、支持層を確保するための政治的理由で利用した」と指摘し、これからは「両国国民のこれらの対立感情を和らげ、両国の政策決定権者が動ける幅を広げることができるよう、政界がバックアップすべきである」と主張した

自民党の二階俊博幹事長も祝辞映像を通して「最近、日韓両国の関係が過去の歴史のために困難な状況であるが協力が必要な分野では、交流しなければならない。」と強調し、日韓関係の発展のために①コロナ前に1千万人を超えた人的交流の復元、②カーボンニュートラル等ESG分野の協力、③全経連と日本経団連など民間経済団体間の交流強化など、3つの協力について提案した。

これに応えるように、ホ・チャンス全経連会長は「全経連も日本経団連等と再生可能エネルギーなどESGで協力し、4次産業革命の技術交流など多方面で協力することができるよう、民間経済団体として努力する」と述べた。続いて「韓日関係の悪化による被害は、両国の企業と国民に転嫁され、両国の国益にも害となる」と強調した。

「外交・政治的側面における日韓関係の改善方案」というテーマで発表に出たソン・ヨル東アジア研究院院長は「最近の韓日葛藤は、利益の衝突というより、信頼の喪失と感情対立である」と解釈した。

続けて、歴史問題に対する国民の認識と韓日間のパワーバランスなど、両国を取り巻く環境が変化し、過去とは異なる日韓関係の再構築が必要であると主張した。ただし「韓国人の心に届く、日本の真の謝罪」を前提に、新たな日韓関係を構築しようとすることは現実的に難しいと分析し、今後は両国間の問題ではなく、米中の超大国の間で、中堅国家としての安全保障、生産、技術、デジタル貿易などの分野での協力をしなければならないと主張した。

日韓経済協力の活性化の方向について発表したチュ・ウォン現代経済研究院の経済研究室長は5つの分野での両国の経済協力方案を提示した。

具体的には①適切な時期に、日韓の相互ワクチンパスポート(接種証明)の導入とトラベルバブル(Travel Bubble)*協約締結を促進し、②平均4年周期で発生するグローバル経済危機に備えた韓日通貨スワップの推進とチェンマイ・イニシアティブ(CMIM)**実効性の向上、③生産可能人口の減少に起因する日中韓の潜在成長率の急落(’50〜’60年1.2%〜1.4%水準)に備えた韓日人材活用の最大化方案の用意およびEU・NAFTA水準の東アジア経済ブロックの構築、④4次産業革命とGVC再編による競争優位を確保するための協力、⑤カーボンニュートラルによる経済的影響の最小化のための炭素低減技術交流の活性化と国際共同対応などを提示した。

*トラベルバブル(Travel Bubble、非絶縁旅行圏):防疫に優れた国同士の旅行者に自己隔離を免除する国家間の相互協定

**日中韓とASEANの10カ国の通貨危機と金融危機の発生を防止する多国間通貨スワップシステム

パネル討論に出席したキム・ギュパン対外経済政策研究院選任研究委員は、日米関係と日中関係から日韓関係改善の教訓を見つけるべきだと主張した。キム研究員は、日中経済関係は日本の技術と中国の市場が結合した非常に強固な相互補完関係であるため、日本の立場で日米同盟が重要であるにもかかわらず、米国の対中国デカップリング戦略に完全に参加するのは非常に困難な状況だと主張した。

続けて、キム選任研究委員は「日本は中国との間で政治・安全保障的に対立の素地があるにも関わらず相互補完的な経済関係を発展させてきたように、日韓経済関係も政治的葛藤と分離して韓国の技術力に裏付けされた、半導体、電池、水素の開発、炭素低減技術などの分野で日韓間の経済協力の余地が十分ある」と語った。

森山朋之ソウルジャパンクラブ(SJC)理事長は、「韓国に進出した日本経済界を代表して韓国のパートナーとウィンウィンの関係でビジネスを継続したいが、日本製品不買運動など感情的な反応が非常に懸念される」と語った。

彼は、2020年にアジア・オセアニア20カ国に進出した日本企業を対象にした調査で、黒字会社比率は韓国が72%で1位だったが、事業拡大を検討している企業の割合は27%で17位に過ぎない点を挙げながら、「韓国は日本企業にとって、これまでは成功裏に事業展開がなされてきた国であるが、同時に事業経営が難しくなってきている国であると理解される。韓日関係の悪化も理由のようだ」と述べた。
 
(参考記事:「東京応化工業、韓国でのEUVフォトレジスト生産を大幅拡大か…「国産化政策に危機感」韓国紙」)
(参考記事:「[特集]韓国の半導体素材や部品などの国産化政策…1年半の経過」)
(参考記事:「ムン大統領、フッ化ポリイミド国産化企業視察」)


 
 
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