[特集]韓国の半導体産業の競争力診断…専門家100人アンケート調査

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[特集]韓国の半導体産業の競争力診断…専門家100人アンケート調査

 日本の経団連に相当する、韓国の全国経済人連合会(以下全経連)は、韓国半導体ディスプレイ技術学会と共同で、韓国半導体ディスプレイ技術学会の役員と会員などの半導体業界の専門家100人(学界60人、産業界40人)を対象としたアンケート調査の結果を7日に公開した。以下に概要を紹介する。

調査に参加した専門家たちは、「人工知能」と「車両」半導体設計分野、「半導体材料・部品・機器」の競争力が先進国に比べ60%水準に過ぎないと診断した。また、100人のうち85人は「中国の政府次元の半導体産業の集中支援(85.0%)」、「TSMCなど台湾のファウンドリ企業の大規模な投資(85.0%)」は(韓国にとって)特に脅威になると見ており、「企業投資の抜本的な税制支援(23.0%、複数回答)」を含めて、半導体産業発展のための実質的な支援対策の樹立を促している。

主な半導体技術とバリューチェーンの分野別に、最高の先進国(企業)のレベルを100とした場合、韓国の半導体技術競争力と比較した結果、▲人工知能半導体ソフトウェア(56)▲人工知能半導体設計(56)▲自動車用半導体設計(59)部門など、第4次産業革命の核心技術とされる分野が最も低いレベルに留まっていると調査された。続いて▲機器(60)▲部品(63)▲素材(65)など、いわゆる半導体後方産業であり、半導体の生産性と品質を左右する要素の技術水準についても低く評価された。また、メモリ・システム・人工知能など、すべての調査対象の半導体分野において、「設計」は「工程」より相対的に競争力が脆弱なものと診断された。

一方、技術競争力が低い分野ほど人材もさらに不足していることが分かった。半導体産業現場の専門人材需要(100)に比べ、国内(韓国)需給の現状についても▲人工知能半導体設計(55)▲自動車用半導体の設計(55)▲人工知能半導体ソフトウェア(56)部門の労働力難が最も深刻なものと認識された。また、韓国の主力分野であるメモリー半導体の設計(75)と工程(84)における人材についても、現場の需要よりも不足していることが分かった。

全経連の関係者は、「韓国のシステム半導体事業部門は、主にIT用半導体に重点を置いており、人工知能と車両の半導体分野では比較的劣位にあるが、自律走行車など4次産業革命の時代に急進展する技術分野の競争力確保とシステム半導体育成次元で必ず投資支援が必要だ」と述べた。

半導体産業の主導権を確保するための世界的な覇権競争が激しくなっている中で、専門家は、米国、中国、台湾、EU・日本などの各主要国(地域)による自国半導体産業の保護と育成の動きが、韓国企業に与える影響を否定的にみている。特に、中国政府主導の半導体への集中投資と追撃に対しては、「非常に否定的(30.0%)」、または「やや否定的(55.0%)」と見る意見が優勢であり、台湾企業によるファウンドリ事業の大規模な投資と政府支援に対しても「非常に否定的(25.0%)」、または「やや否定的(60.0%)」という回答の割合が高かった。一方、米国政府によるグローバル半導体サプライチェーン再編のための支援については、否定的(55.0%)である視点と同時に、肯定的(39.0%)と見る意見も多かった。

韓国の半導体産業で最も懸念される点については、「半導体の高度な技術人材の需給と養成システムの不足(14.0%)」が最も多かった。また、専門家は、▲主要国の自国優先主義の深化によるグローバルバリューチェーン不安定(13.5%)▲国内半導体素材・部品・機器のグローバル競争力不備(12.3%)についても懸念点として挙げた。

最近、韓国政府や国会などで韓国の半導体産業のグローバル競争力強化のための半導体産業発展法案作りが議論されている中で、半導体の専門家たちは、「企業の生産設備と研究開発(R&D)投資の抜本的な税制支援(23.0%)」を最も優先的に政策に含ませるべきだと答えた。続いて▲半導体素材・部品・機器の国産化とテストベッド拡大(18.7%)▲中長期人材育成計画(15.7%)▲R&D部門の主52時間勤務制の柔軟性強化(9.3%)▲建設・環境・安全(重大災害の企業処罰法、化学物質管理法、化学物質の登録・評価法)許認可ファーストトラック(8.7%)などの反映も必要だとの意見が集まった。

パク・ジェグン韓国半導体ディスプレイ技術学会長は、「世界各国による自国の半導体競争力向上のための政府主導支援に対応して、韓国政府も《半導体産業発展法》を発議し、中長期的に国内の半導体素子・設計・素材・部品・機器など全分野にわたって、グローバル競争力を向上させなければならない」と強調した。また、「特に米国政府と同じレベルの生産設備投資インセンティブの支払い、環境・安全・建設の許認可ファーストトラックの措置、電気・用水・排水処理の迅速インフラストラクチャのサポート、重大災害の企業処罰法・化学物質管理法・化学物質登録、評価等に関する法律・労働基準法など、4大産業法の規制緩和、車両の半導体新規ファブ設置、研究開発、設計分野の優秀な人材養成プログラムが必ず含まれなければならない」と付け加えた。

ユ・ファンイク全経連企業政策室長は、「韓国の半導体企業は、メモリー技術の格差を広げて、システム半導体分野で競合企業に追いつくための能力を総動員必要があり、半導体産業の主導権をめぐる国際政治的リスクに立ち向かうことになった」と憂慮した。また、「今からでも政府と国会が半導体産業の育成に意志を表明していて幸いだが、竜頭蛇尾にならないよう、企業が体感できる支援策を強力に設けて迅速に実行する必要がある」と述べた。

一方、全経連は、半導体製造設備及びR&D投資の50%までの税額控除の拡大、優れた半導体専門人材の養成のための半導体関連の大学の専攻定員拡大や奨学金支援、建設・環境・安全関連の規制緩和やインフラの構築行政支援など半導体産業の発展のための重要な政策課題の改善を提案した。
 
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