韓国の研究チーム、熱電素材を3Dプリントで出力し、熱電発電機の効率を改善

研究開発

韓国の研究チーム、熱電素材を3Dプリントで出力し、熱電発電機の効率を改善

熱電発電機の耐久性と効率を大幅に改善できる技術が開発された。ハニカム構造で発電機の熱電素材を製作する技術である。力を分散させるハニカム構造の特性を活用し、熱電素材の損傷を防止できる。また、熱拡散を効果的に抑えることで、発電機の効率が向上した。

ウルサン科学技術大学校(UNIST)新素材工学科のソン・ジェソン、チェ・ハンギ教授の研究チームとアリゾナ州立大学のグォン・ボムジン教授は、熱電素材の一種であるセレン化銅(Cu2Se)をハニカム構造で3Dプリントし、発電機の耐久性と効率を高める技術の開発に成功した。インク状の熱電素材を新開発したことで、複雑なハニカム構造を3Dプリントすることができた。

熱電発電は温度差を電気に変換する次世代発電である。工場や航空機、自動車などから生じる排ガスの熱を電気に変換することができ、エネルギーの再活用技術として注目を集めている。熱電素材の両端の温度差を設けることで、素材内部の電流が流れる原理(ゼーベック効果)を利用している。

熱電発電機の核心である熱電素材は、衝撃などを耐える機械的耐久性が他の素材に対して劣っている。また、作動中に反復的に熱膨張と収縮、機械振動に露出されるため、微細亀裂のような構造的損傷を受けやすい。そのため、耐久性を補完する技術が必要であった。

共同研究チームは、熱電素材を細胞型構造(cellular architectures)で製作する技術を新しく開発した。細胞型構造は、複数の単位細胞構造が隙間なく連結された形体のことを指す。ハニカム構造のように、単位細胞を六角形にすると、外力を効果的に分散し、熱電素材の原料を節約でき、軽量化することができる。

第一著者のUNIST新素材工学科のチュ・スンフン修士博士統合過程研究員は、「今回の実験では、セレン化銅素材を細胞型構造で製作し、機械的強度を大幅に高めることができた」と述べ、「本来、この素材は高温帯域(約800℃)で優れた熱電性能を見せるが、熱膨張によって耐久性が弱化しやすかった素材である」と説明した。

研究チームは、3Dプリント用のインクを作るために、無機物結合剤(セレン)を用いた。熱電素材を粘度の高いインク状にするためには結合剤が必要であるが、一般的な有機物結合剤は熱処理工程で完全に除去されない。除去されず、残留した有機物結合剤は電気伝導度を低くし、熱電素材の効率を低下させる問題があった。

チェ・ハンギ教授は、「今回の技術は素材の電気伝導度のような物性低下を防止でき、多様な半導体素材の3Dプリントに取り入れられる、源泉技術として応用できるはず」と説明した。

研究チームは、ハニカム構造の熱電素材で発電機を作った際の性能をコンピュータシミュレーションで計測した。実験結果、ハニカム構造の発電機は平面の直方体の発電機より温度差を電気に変換する性能が26%以上高かった。ハニカム構造が熱電素材に付いた電極の熱拡散を効率的に抑制したからである。熱が周辺に拡散すると、温度差が減少し、熱電発電効率が低くなる。

ソン・ジェソン教授は、「3Dプリント技術で素材の機械的物性を補完する複雑な構造を具現し、捨てられる原料損失も最小化できる優れた技術」と述べ、「軽量化と耐久性が同時に必要な宇宙、航空技術や自動車産業に応用できるはず」と期待を寄せた。

この研究は、サムスン電子のサムスン未来技術育成事業の支援で遂行された。また、この研究は6月10日、国際ジャーナル、Nature Communicationsに掲載された。


 
 
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