韓国産業部、EVバッテリーのレアメタル安定確保に向け備蓄量を拡大へ

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韓国産業部、EVバッテリーのレアメタル安定確保に向け備蓄量を拡大へ

(画像出典:韓国産業通商資源部)

電気自動車(EV)市場が急速に成長し、各国政府が「カーボンニュートラル」を推進していることで、リチウム·コバルト·ニッケルなど「バッテリー」に使われる希少金属(レアメタル)価格が急激に高騰している。主要諸国が我先に希少金属の確保に乗り出している中、韓国政府と企業も対策に苦慮している。政府は今年末までに「金属備蓄総合計画」を樹立する予定だ。

リチウム·コバルト·ニッケルなどは未来車、バッテリー、風力、太陽光発電などに使われる中核素材だ。韓国でも産業需要が増え続けているが、国内入手が難しく、代表的な希少金属といわれている。原料や基礎素材のほとんどを輸入に頼っているため、政府は希土類元素(レアアース)を含む計35種を希少金属として選定し、管理している。

韓国政府は5日、「希少金属産業発展対策2.0」を発表し、希少金属の平均備蓄量を56.8日から100日分まで拡大すると発表した。さらに、希少金属が含まれた廃資源のリサイクルを拡大する案も提示した。

こうした対策の一環として、産業省のムン·スンウク長官は19日、希少金属生産企業であるソンイル・ハイテクと群山(クンサン)にある備蓄基地を訪問した。ソンイル・ハイテクは二次電池に入っているリチウム·コバルト·ニッケルなどの希少金属を再処理後、再度二次電池正極材素材として供給するリサイクル専門企業だ。

22日、業界関係者らの話によると、政府がこのように希少金属供給の安定化に集中する理由は、価格急騰による需給不安への懸念のためだ。

希少金属のうち、主要輸入品目であるニッケル、ケイ素、リチウム、パラジウム、モリブデン、タイタニウムなどは需要が大きく増え、ここ1年間で価格が最大2.5倍まで上昇している。国際エネルギー機関(IEA)は、2040年基準のリチウム需要が2020年比42倍、コバルトは21倍、ニッケルは19倍に増加すると推定している。

主要諸国は、希少金属の確保競争にすでに突入している。米国はレアアースを含む4大核心品目のサプライチェーン強化戦略を展開しており、中国は今年初めにレアアース管理条例草案を発表した。

海外企業も同様だ。海外の完成車やバッテリーメーカー各社は、自主的な資源確保に集中している。中国バッテリー生産会社CATLは4月、コンゴ民主共和国でコバルト鉱山の持分を保有する中国企業に投資した。テスラは米ネバダ州からリチウムを含む粘土鉱山の持分を買収した。希少金属の確保が容易でないため、希少金属をあまり使わない代替バッテリーの開発技術も同時に注目されている。フォルクスワーゲンはコバルト·ニッケルを使わずに安価で生産が可能なリチウムリン酸鉄バッテリーを普及型モデルに適用する予定だ。

国内企業も安定的な希少金属のサプライチェーンを確保するために努力している。

ポスコケミカルは、バッテリー素材を生産する過程でポスコと原料バリューチェーンを結ぶ計画だ。ポスコケミカル関係者は「現在、リチウム·コバルト·ニッケルなど正極材構成要素となる金属を輸入している」とし「今後は、ポスコとバリューチェーンを結び、ポスコが希少金属を開発し、われわれはこれを使ってバッテリー素材となる正極材と陰極材を生産する予定」と説明した。

政府は、今年中に希少金属の供給に向けた支援にさらに拍車をかける計画だ。産業部は今年下期中に「官民希少金属産業発展協議会」を設置し、希少金属のサプライチェーンを安定して管理する案と、関連企業に対する支援策について議論する。

続いて希少金属の平均備蓄日数の拡大、備蓄機能の一元化など備蓄制度の強化案を具体化した「金属備蓄総合計画」も年内に策定することにした。

 
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