ファブレスの企業価値が垂直上昇…サムスンのM&A戦略も影響が

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ファブレスの企業価値が垂直上昇…サムスンのM&A戦略も影響が

グローバル半導体企業の合従連衡が活発に進む中、サムスン電子の大規模な買収合併(M&A)が迫っているという。イ・ジェヨン副会長によるシステム半導体世界トップ宣言があったため、近いうちにM&Aプランを水面上に示すだろうというのが一般的な見方だ。ただ、システム半導体の設計開発会社などいわゆる「ファブレス」の企業価値が上昇しており、サムスンとしては負担が大きくならざるを得ない。特に、M&Aが有力視されている車載向け半導体の場合、価格が天井知らずに跳ね上がっている。一部ではAIと電装(電子装備)などのM&Aにまず目を向けるという観測も出ているという。韓国ブリッジ経済が報じた。

29日、業界によると、NAND型フラッシュメーカーの米ウェスタンデジタルが200億ドル(23兆ウォン、約2兆1969億円)規模の日本キオクシアホールディングスとのM&Aを検討している。サムスンが本格的に力を入れるものと予想される非メモリー半導体分野でも大規模なM&Aが続いている。米国NVIDIA(エヌビディア)はイギリスのファブレス(半導体設計専門企業)であるARMを40兆ウォン(3兆7715億円)で買収する案を進めている。

業界ではサムスン電子の次のM&A対象としてシステム半導体企業が有力であると見ている。サムスン電子の車載向け半導体市場に対するシェアが2%と低く、自律走行·電気自動車などの供給で今後車載向け半導体市場の高成長が予想されているからだ。2016年、サムスン電子が買収したハーマン(Harman)などの電装事業分野とのシナジー効果もあり得る。

市場調査機関のIHSマークィットは、車載向け半導体市場が2020年の450億ドル(4兆9430億円)から2026年は約676億ドル(7兆4255億円)レベルへと成長するだろうと見込んでいる。米国投資銀行(IB)、JPモルガンなども4月、サムスン電子が車載向け半導体ファブレス企業であるオランダNXPと米テキサス·インスツルメンツ(TI)、マイクロチップ·テクノロジーズなどを買収する可能性が高いと言及している。

ただ、買収価格が高くなるのはM&Aにおける新たな伏線であるとされる。昨年下期に車載向け半導体の供給難が本格化し、これら企業は今年第2四半期に入って大規模な業績向上を実現している。車載向け半導体チップの単価上昇による恩恵だ。NXPの第2四半期基準の売上は26億ドル(約3兆ウォン、約2856億円)、営業利益は8億3000万ドル(約9700億ウォン、約912億円)を記録した。このうち、車載向け半導体の売上は12億6000万ドル(1384億円)を記録し、昨年同期より87%近く急増した。TIの第2四半期の営業利益も22億1300万ドル(2431億円)と、昨年より80%伸びた。

これらのファブレス企業が提示する買収金額も急騰した。大幅に上昇した買収金額に、サムスンがNXPに対するM&Aを放棄したという観測も出ている。米ITメディア「サムモバイル」によると、サムスン電子は最近、NXPが買収金額を680億ドル(80兆ウォン、7兆4694億円)に引き上げ、該当企業に対する買収計画を撤回した。

ある業界関係者は「NXPの場合、ここ数年で買収金額がほぼ30兆ウォン(2兆8286億円)近く急騰した」とし「他の車載向け半導体会社を買収する方法と他の分野のM&Aを優先的に推進する可能性もある」と述べた。サムスン電子は先月29日に開かれたカンファレンスコールで「3年以内にAIと5G、電装など多様な分野でM&Aを積極的に検討している」と強調した。

アン·ギヒョン韓国半導体産業協会専務は「電装、人工知能、システム半導体などサムスン電子のM&A分野として取り上げられている産業は未来の半導体産業とも直結する分野だ。いずれも今後の成長動力とされる重要な部分であるため、状況に応じて戦略的判断を通じてM&Aを推進するものとみられる」と述べた、とブリッジ経済は報じた。

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