下がり続けるLCD価格、韓国ディスプレイ・テレビ会社への影響は?

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下がり続けるLCD価格、韓国ディスプレイ・テレビ会社への影響は?

コロナ19の影響によるテレビ需要の急増で、昨年から高騰していたテレビ向け液晶表示装置(LCD)パネル価格の下落傾向が2ヵ月間続いている。当面は下落が続くとの見方が支配的な中、サムスンやLGなど韓国のディスプレイ・テレビメーカーに及ぼす影響に関心が集まっているという。韓国edailyが報じた。

29日、業界によると、先月に1年2カ月ぶりに下落に転じたテレビ向けLCDパネルの価格が今月後半にもすべての大きさの製品で3~12%下落した。

市場調査会社のウィッツビュー(Witsview)によると、8月後半にテレビ向けの32インチLCDパネルの平均価格は、上期に比べ11.9%下がった74ドル(約8129円)を記録した。これに先立って、32インチのパネル価格は7月後半に87ドル(約9557円)から8月前に84ドル(約9227円)へと3.4%(3ドル、約330円)下がったが、下げ幅が2ケタまで拡大したという。

特に注目すべき部分は、相対的に需要の少ない32インチパネルから始まった下落傾向が、市場主流の55インチ以上の製品にも広がっているという点だ。43インチパネルが131ドル(約1万4390円)で、前月比9.0%下落し、△50インチ181ドル(約1万9882円)(-6.7%)△55インチ220ドル(約2万4166円)(-5.6%)△65インチ284ドル(約3万1196円)(-4.4%)△75インチ398ドル(約4万3718円)(-2.7%)などの下落を見せた。

これまでテレビ向けLCDパネルの価格が高騰したのは、コロナ19による巣ごもりや、その反動からの消費効果でテレビ·情報通信技術(IT)製品の需要が増加したためだ。今年5月から上昇傾向が始まり、55インチをはじめ一部の製品は1年間で2倍以上値上がりした。

しかし、テレビメーカー各社がLCDパネルの在庫を十分確保し、最近需要が減り始め、これを受け、価格調整が行われているというのが業界の分析だ。業界関係者は「昨年、コロナ19による特需で2倍も跳ね上がった価格が正常に戻る」とし「コロナ19の長期化が変数として作用するかもしれないが、現状維持または下落傾向を見せるものと予想される」と説明した。

テレビ向けLCDパネル価格の下落が続き、国内ディスプレイメーカーやテレビメーカーに及ぼす影響についても関心が集まっている。一般的にパネル価格が下落すれば、パネルを生産するディスプレイ会社の立場では収益性が悪化し、他方のテレビメーカーの立場では原材料価格が下落することで、収益性の改善が予想される。

ただ、国内ディスプレイメーカー各社の打撃は、今のところそれほど大きくないだろうというのが業界の説明だ。すでにこの1年間でパネル価格が高騰したため、ある程度値下がりしたとしても収益性は維持されるからだ。さらに、国内ディスプレイメーカー各社はすでに、テレビ向けLCDの生産を大幅に減らしてきた。中国メーカーの低価格攻勢で収益性が急激に悪化し、当初、昨年を最後に国内事業を撤退しようとしたが、昨年からパネル価格が急上昇し、従来の計画を撤回して生産を延長している。

LGディスプレイは最近行った今年第2四半期の業績発表カンファレンスコールで、テレビ向けLCDパネルのキャパ(生産能力)は従来に比べて半分減少した状態で運営されていると明らかにした。減らしたキャパはIT用へ相当部分転換を完了した。LGディスプレイは市場状況を綿密に調べながら、国内事業所でテレビ向けLCDパネルの生産を完全に中断する方針だという。中国の広州工場でLCDパネルの生産はそのまま続ける。

サムスンディスプレイも同様だ。同社は現在、アサン事業所の8ラインでテレビ向けLCDパネルを生産している。さらに8ラインの一部は、有機発光ダイオード(OLED)テレビパネルの「QD(クォンタムドット)・ディスプレイライン」に転換し、現在、LCDパネルのキャパは大幅に減っている。サムスンディスプレイはひとまず、来年まではテレビ向けLCDの生産を続ける案を検討しているという。

一方、LCDパネル価格の上昇で原材料価格への負担を感じていたテレビメーカー各社は、復活の兆しが期待される。サムスン電子の今年上期のCE(消費者家電)部門のディスプレイパネル原材料の買い入れ額は4兆5277億ウォン(約4269億円)で、前年同期比99%増加した。LG電子の上期のテレビ向けディスプレイの買い入れ額も2兆5824億ウォン(約2435億円)で、昨年同期対比64.2%急増した。

業界関係者は「ディスプレイ会社の立場ではもちろん、最近LCDパネルの価格が頂点に達した時より売上に悪影響があるだろうが、それでも依然として昨年初めより2倍近い価格を維持している」とし、「さらにすでに国内ディスプレイ会社のテレビ向けLCDパネルの生産量が大きく減ったため、大きな打撃はない」と説明した。続いて「テレビメーカーにとってはLCDテレビの比重が高いため、原材料の負担が多少解消されるものとみられる」と付け加えた。

8月後半のLCDパネル価格(Witsview)

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