押し寄せる中国バッテリー前駆体に韓国素材各社「自給率アップ目指せ」

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押し寄せる中国バッテリー前駆体に韓国素材各社「自給率アップ目指せ」

中国製「バッテリー前駆体」が押し寄せる中、韓国国内のバッテリー製造·素材会社が内製化に乗り出している。前駆体はバッテリー性能を左右する正極材を作る素材だ。グローバル電気自動車(EV)市場の競争が本格化する中で、安定的な前駆体の確保に向けて動いている。韓国ファイナンシャルニュースが報じた。

20日、バッテリー関連業界と貿易協会によると、今年上半期(1~6月)、韓国企業が輸入した「ニッケル·コバルト·マンガン」(NCM)前駆体8万7910トンのうち、中国産が92.1%(8万998トン)を占めた。中国産前駆体輸入の割合は着実に増加している。2018年は57.6%に過ぎなかったが、2019年は88.5%、2020年は89.1%だった。
前駆体はバッテリー性能を左右する正極材を作るのに必要な核心材料だ。ニッケル、コバルト、マンガンなどを適正割合で配合して作る。ここにリチウムを混ぜれば正極材が完成する。

正極材材料費の70~80%は前駆体が占める。韓国内バッテリー業界は正極材、負極材、電解質、分離膜の4大核心素材の内製化に努めているが、前駆体に対する関心はさほど高くない。生産技術を確保することは問題ないものの、人件費や価格などを考慮すれば、利益が大して残らないためだ。

前駆体を構成するニッケルやコバルトなど原料需給も重要だが、鉱山確保が必要なため、韓国内メーカーが直接確保するには困難が大きい。現在、韓国内での前駆体需要比生産量は30%に過ぎないという。このような現状の中、電気自動車向けバッテリーへの需要が急増すると、韓国メーカー各社は自ずと、中国からの輸入物量を増やさざるを得なかった。

しかし、2019年に日本からの輸出規制を受け、危機感を感じた韓国内企業は前駆体の内製化に拍車をかけている。中国当局が電気自動車産業に破格の支援を出している状況だ。ややもすれば、中国から前駆体を搬入するのにも問題が発生する可能性があるという憂慮だ。

前駆体の内製化に有利な位置を占めた会社はポスコケミカルだ。資源開発に強みを持っているポスコグループがしっかり支えているからだ。ポスコケミカル関係者は「海外から原料を調達して前駆体を製造し、素材生産まで続く事業モデルをすでに確保している」とし「まだ外部調達物量がある。今後、内製化率を増やしていこうとしている」と説明した。

同社は今年8月、ポスコとファユコバルトが中国浙江省で運営している正極材および前駆体合弁法人の生産ライン増設のため、計2810億ウォン(約260億円)を投資し、前駆体の安定的な供給を受けることにした。

LG化学はすでに、ファユコバルトと合弁会社を立ち上げ、前駆体需給の安定化を図っている。エコプロビーエムも、関係会社のエコプロジーエムから前駆体の供給を受けている。業界関係者は「(前駆体は)重要だが、付加価値が大きくないため、直接製造するケースは多くなかった」とし、「バッテリー市場拡大に伴い、前駆体の安定的な確保の一方として内製化に努めている」と伝えた。

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