LGエナジーSがトヨタを抜いた…500回充放電の全固体バッテリー開発

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LGエナジーSがトヨタを抜いた…500回充放電の全固体バッテリー開発

LGエナジーソリューションはトヨタが全固体バッテリーで解決すべき課題として挙げた「寿命」問題を解決したというニュースを韓国マネートゥデイ社が報じた。常温でも早い速度で充電が可能な長寿命の全固体バッテリー技術を開発したという。

全固体バッテリーはバッテリーの正極と陰極の間にある電解質を液体から固体に取り替えたバッテリーで、既存のリチウムイオンバッテリーよりエネルギー密度と安全性が高い。全固体バッテリーが商用化されれば、今後電気自動車(EV)の火災の可能性が「ゼロ(0)」に近づく見通しだ。

LGエナジーソリューションは24日、米サンディエゴ大学(UCSD)との共同研究で、常温(25℃)で充放電寿命が500回以上の長寿命電固体バッテリー技術を開発したと発表した。

シリコン陰極材を適用した全固体バッテリーのうち、常温で充放電寿命が500回以上になったのは世界初の事例だ。リチウム金属を陰極に適用した従来の全固体バッテリーは温度に敏感で、60℃以上の高温環境でのみゆっくり充電することができた。
研究チームはこの問題を解決するため、全固体バッテリーの陰極から導電材とバインダーを除去し、5um(マイクロメーター)内外の粒子の大きさを持つ「マイクロシリコン陰極材」を適用した。シリコン陰極材を適用するバッテリーは充電速度が速い。シリコンは素材の特性上、体積の膨張になりかねないという短所があるが、LGエナジーソリューションは親会社のLG化学が生産した炭素ナノチューブ素材を適用し、問題を解決した。

LGエナジーソリューションが開発した全固体バッテリーは、500回以上の充電や放電後も、80%以上の残存容量を維持する。これは現在商用化されたリチウムイオンバッテリーと似た水準の性能だ。LGエナジーソリューションによると、リチウムイオンバッテリーは通常、常温で500~800回以上の充放電以後、80%以上の水準を維持する。全固体バッテリーは、リチウムイオンバッテリーに比べ、エネルギー密度も約40%高められる。

これは全世界で全固体バッテリー関連特許を最も多く保有する日本のトヨタより進んだ技術だ。トヨタは今月7日、全固体バッテリーを搭載した最初の車両を公開し、「全固体バッテリーの寿命がまだ短い」という問題が残っていることを明らかにしている。トヨタは2~3年以内に全固体バッテリーを搭載した電気自動車を販売する方針だが、このための追加開発が必要だ。

LGエナジーソリューションも、全固体バッテリー部門で解決しなければならない課題は残っている。電解質はリチウムイオンが正極から陰極へ、陰極から正極へ円滑に移動するように助ける役割をするため、イオン伝導度が高いほど有利だ。しかし、固体電解質は液体より伝導度が落ちる状況だ。LGエナジーソリューションの開発者らは、固体電解質のイオン伝導度を高めることを最優先課題とし、研究している。

バッテリー業界によると、全固体バッテリー市場は2025年に開かれる見通しだという。NH投資証券は、全固体バッテリー市場が2025年15GWh(ギガワット時)から2030年121GWhに拡大すると観測している。LGエナジーソリューションは2025年ごろ、全固体バッテリーのサンプルを開発することを目標にしている。

LGエナジーソリューションは、次世代電池のリチウム硫黄バッテリー開発にも拍車をかけている。リチウム硫黄バッテリーは、従来のリチウムイオンバッテリーの正極活性物質に硫黄(S)を入れたバッテリーだ。これまでは正極活性物質にNCM(ニッケル·コバルト·マンガン)、NCA(ニッケル·コバルト·アルミ)、LFP(リチウム·リン酸·鉄)などを入れたら硫黄を入れながら容量も極大化し、重さが画期的に軽くなる可能性がある。コバルトなど高価の正極素材の代わりに、ありふれた安価な硫黄を使えば、価格競争力も確保できる。

リチウム硫黄バッテリーは、理論的に最大エネルギー密度がkg当たり2500Wh(ワット時)に達し、最大エネルギー密度が500Whkgのリチウムイオンバッテリーに比べて4倍高い。このため、リチウム硫黄バッテリーは新規航空分野のUAM(都心航空交通)に適した次世代電池と呼ばれている。2040年のUAMバッテリー市場規模は11兆2000億ウォン(約1兆502億円)(40GWh)に達する見通しだが、LGエナジーソリューションはこれを先取りする計画だ。

LGエナジーソリューションの関係者は「次世代製品の多角化を通じ、顧客に多様な選択肢を提供する」とし「安全を最優先とする顧客に安全性に特化した全固体バッテリーを供給し、安価で軽いバッテリーを希望する顧客にリチウム硫黄電池を提供することを目標にしている」と述べた。

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