車からスマホまで半導体不足が深刻…中国電力難にメモリも「緊急事態」

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車からスマホまで半導体不足が深刻…中国電力難にメモリも「緊急事態」

世界的な半導体の供給不足で生産に支障をきたしている自動車に続き、スマートフォンも市場の萎縮が避けられないという見通しが出た。最近、中国の電力不足が半導体供給不足に拍車をかける可能性があるという分析も出ているとchosunBizが報じた。

6日、市場調査会社のカウンターポイントリサーチによると、現在のスマートフォンメーカーの90%は、半導体供給不足による生産への影響を受けているとのことであった。カウンターポイントリサーチは、これにより今年の全世界のスマートフォン販売台数を14億1400万台と見通したが、これは、7月14億4700万台より3300万台引き下げたものだ。また、前年比の売上増加幅も従来の9%から6%に下方修正した。

半導体供給不足は今後さらに激しくなるというのがカウンターポイントリサーチの説明である。サムスン電子、アップル、オッポ、シャオミなどのスマートフォンメーカーは、第2四半期、実際の注文量の80%水準での半導体供給を受け、第3四半期には需給状況がさらに悪くなり、この比率が70%台に落ちた。

第3四半期の新型フォルダブル(折りたたみ式)スマートフォンを発売したサムスン電子としては尻に火が落ちたわけだ。特にGalaxy Z Flip3の場合、予想を上回る需要に対して供給不足の現象が現れている。半導体供給不足とともに、ベトナムなど東南アジアでの新型コロナウイルス感染症(コロナ19)流行とも戦っている状況である。

アップルでも最近発売されたiPhoneの13の供給が市場の需要に間に合わないという見通しが出ている。半導体不足はもちろん、中国の電力難が重なったためだ。現在iPhone 13は注文から受領まで一ヶ月以上かかっているが、業界関係者はiPhone 13の初期物量が前作のiPhoneの12と比較しても半分程度に過ぎないと見ている。

ただしカウンターポイントリサーチは、Appleが比較的半導体供給不足の影響を少なく受けるものと解釈した。アップルは現在、半導体ファウンドリ(受託生産)1位の企業である台湾TSMCの最大の顧客であり、TSMCが死活をかけアップルに半導体を供給する方針だという。また、iPhoneの新モデル発売は毎年一定してサプライヤーが数ヶ月前からこのような状況に備えているはずだという分析もした。

このような中、半導体供給不足が今年中に解決できないという予測が出ている。当初、今年末には解決されるものと思われた半導体供給不足が長くなるということだ。米国半導体企業マーベルテクノロジーのマック・マーフィー最高経営責任者(CEO)は最近、米CNBCのイベントで「最近の世界的な半導体供給難と価格上昇の圧力は今まで経験したことのないものである」とし「現在の市場状況を見ると、2022年内は半導体不足により苦しい状況が続くだろう」とした。彼は一部ベンダーの半導体増設計画は解決策にはならないとも見た。現在の計画では、3〜4年後を見据えたものであるためだ。マーフィーCEOは、半導体供給不足により、車だけでなくスマートフォン、コンピュータ、家電製品などの電子産業全般に問題が生じると予想した。

実際に自動車産業は、今年の第3四半期基準で米国販売台数が13%減少したことが分かった。半導体不足が自動車生産を停止させ、在庫急減で販売量が減ったというのが業界関係者の説明だ。アメリカを代表する自動車会社ゼネラル・モーターズ(GM)の場合、第3四半期の自動車販売台数は前年比で30%以上減少した。オーラ・ケレニウスダイムラーAG CEO兼メルセデス – ベンツ会長は最近開かれたIAAで「来年も半導体供給不足が終わらない可能性がある」とした。

現代自動車、起亜、韓国GM、ルノーサムスン自動車、双竜自動車など国内完成車メーカー5社も9月に国内・外の販売量が前年比20.7%減少しており、国内の場合33.7%、海外販売、輸出は17.3%減少したことが分かった。現代車と現代モービスは先月、半導体供給不によりで牙山工場の生産ラインの稼動を中断し、起亜も米国ジョージア州の工場の生産ラインを停止した。現代車・起亜は、日単位での生産状況を監視して日程を調整する方針だ。

韓国GMの場合、トレイルブレザーを作る富平第1工場の稼働率を先月50%減らした。トラックスなどを作る富平第2工場も半分だけ運営している。韓国GMは上半期に半導体不足により8万台以上の生産に支障を来たすと見ている。

更に、中国電力難は半導体供給不足をさらに加速させるという見通しが出ている。現在の半導体供給不足は、システム半導体を中心に広がっているが、今後はメモリー半導体も供給難の影響を受ける可能性があるという見通しが出ている。中国政府が電力管理のためメモリー半導体であるNAND型フラッシュメモリーの必須工程に必要な「黄リン」の生産を9月から前月比10%以下に削減している。

全世界の黄リン生産の50%を占めている中国の今回の決定について業界関係者は、黄リン価格の高騰を引き起こす一方で、半導体の生産に致命的な影響を与える恐れがあると見られる。特に中国では、メモリー半導体工場を運営しているサムスン電子とSKハイニックスに黄リンの値上げは大きな悪材料にならざるを得ない。

サムスン電子は、中国西安に2つのNAND型フラッシュの工場を、SKハイニックスは、中国無錫にDRAMの工場をそれぞれ運営している。サムスン電子西安工場では、会社全体のNAND型フラッシュメモリー生産量の40%を、SKハイニックス無錫工場は、12インチ(300㎜)ウェハ基準で全世界DRAM出荷の10%が製造されている。

さらに無錫は電力難が最も深刻なの東部に位置し、仮に工場が停止する場合SKハイニックスは数千億ウォンから数兆ウォン単位の被害が発生すると予想されている。先立って2月、サムスン電子の米国オースティン工場は、電力供給の問題により停止し、3000億~4000億ウォン(約280億〜380億円)の被害を受けた。ただし、業界関係者は、「両社の中国工場は、電力不足の中でも通常稼働中である」とし「これらの工場で作られた多くの半導体が中国企業に供給されているため、工場が停止することはないだろう」とした。

参考記事:半導体不足の影響で韓国スマホ市場の供給量が例年の6割水準に減少
参考記事:半導体や中国の電力不足など世界的な供給網崩壊でスマホも超非常事態
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