コピー企業の汚名返上しファーストムーバーへ…変化主導するサムスン

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コピー企業の汚名返上しファーストムーバーへ…変化主導するサムスン

「ペン、超音波指紋認識、フルスクリーン、フォルダブル、ユーザーカスタマイズ… 」
ここ数年間、サムスン電子がスマートフォン業界で初めて試みたり、大衆化を牽引した技術だ。また、今はそれ自体でアップルのiPhoneとは区別される「サムスンGalaxy」のアイデンティティを表す要素でもある。10年前までは「コピーキャット(Copycat、ものまね屋)」という汚名と戦っていたサムスン電子だが、近年ではむしろ変化を主導するファーストムーバー(First mover、開拓者)に近いという評価を受けている。韓国メディアBLOTERが報じた。

サムスン電子が20日に公開した「Galaxy Z Flip3 ビスポークエディション(Bespoke Edition)」は、ユーザーが直接カバーとフレームの色を組み合わせた後、注文制作できるようにしたアイデアで注目を集めた。カラーは開発時点からメーカーが決め、「消費者は購入するだけ」という一方向的な観念を打破した試みだ。これは同時に、サムスン電子固有の強みが組み合わさって誕生した差別化戦略でもある。

メーカーが大量生産の難しいオーダーメード型スマートフォンをオプションとして活用するためには、十分な製造力や需要を保障する人気モデルが必要だ。サムスン電子のスマートフォン生産力は年間約3億台と、世界のスマートフォンメーカーの中で最も進んでいる。今回ビスポークエディションが適用されたGalaxy Z Flip3は、オリジナル製品もデザインが好評で、歴代フォルダブルフォンの中で最も高い需要を誇っているモデルだ。

ここにサムスン電子の家電の象徴として位置づけられた「ビスポーク(Bespoke、オーダーメード型)システム」がスマートフォンにも導入されたことで、サムスン電子は今年、次世代フォームファクターの「Galaxy Z フォルダブルフォン」シリーズの大ヒット、これを裏付ける固有のアイデンティティ確立にも成功したと評価できる。これは、カメラや大画面を中心に固着化している最近のスマートフォン市場での競争体制内での差別性確保の側面で、一段と有利な立場を占めるくだりだ。

そんなサムスン電子も、はっきりとしたアイデンティティを見つけることができず、さまよった時期があった。2010年代初め、アップルのiPhoneが新しいスマートフォン標準に浮上した頃、サムスン電子は「Galaxy S」で応酬したが、「iPhoneとあまりにも似ている」という評価を受けなければならなかった。実際にもアップルはサムスン電子がアップルのスマートフォンの「丸い角」デザインやアプリインターフェース、製品広報イメージなどを剽窃(ひょうせつ)したとして2010年に訴訟を起こし、勝訴した経緯がある。アップルの創業者である故スティーブ·ジョブズがサムスン電子をはじめとするライバル会社を「コピーキャット」だとして評価しなかった理由だ。

その後、サムスン電子は独自的なアイデンティティ確立に向けた取り組みに乗り出した。その中で最も成功したのが、専用スタイラス(Sペン)を搭載した大画面スマートフォン「Galaxy Note(5.3インチ、2012)」シリーズだ。生前、ジョブズ氏は「スマートフォンが3.5インチを超える必要も、ペンを使うより指を使う方がましだ」という持論を固守したが、ジョブズ氏の死後、Galaxy Noteシリーズはサムスンを代表するフラッグシップスマートフォンとして急浮上した。

その後もサムスン電子は、主にハードウェアの側面でライバル会社と間隔を広げてきた。大画面が人気を集め、ベゼルレスのデザインが流行し、ベゼルを最小化するため、フレキシブル技術を応用したエッジディスプレイ搭載モデルを発売(2015)し始め、セキュリティを強化した虹彩認識機能(2016)、ディスプレイに超音波指紋認識センサーをスマートフォンに搭載(2019)して量産した初走者もサムスン電子だ。

2020年代、サムスン電子はライバル会社各社とディスプレイ技術の格差を拡大し続ける一方、デザインコードの構築にも関心を持ち始めた。2021年にiPhoneが依然としてノッチ(いわゆるM字)ディスプレイから抜け出せずにいる一方、サムスン電子はフルスクリーンに近接したピンチホールディスプレイを2019年から搭載中であり、今年「Galaxy Z Fold3」にはカメラを画面の下に隠してフルスクリーンを実現する「UDC」搭載にも成功した。

これとは別に、フォルダブルフォン市場は現在、これといったライバルすらおらず、サムスン電子が独走している。市場調査機関のカウンターポイントリサーチは、2021年、サムスン電子が世界のフォルダブルフォン市場で88%のシェアを占めるだろうと見込んだ。GalaxyS21シリーズからは「コンツアーカットカメラ」のような固有のデザインコードも作り出した。

しかし、このような努力がすべてシェアに換算されるわけではない。この数年間、サムスン電子のスマートフォン市場シェアは20%前後で低迷している。かえって市場初期の2013年頃にはシェアが30%に迫ったが、グローバル競争が激化し、低価格フォン中心の中国メーカーも急浮上して、以前のような位置を回復できずにいる。アップル、シャオミなど2~3位圏のメーカーとのシェアも4~5%以内に縮まった。

サムスン電子が今年、プレミアムスマートフォンのラインアップの出庫価格を引き下げたのも、価格競争力の強化を通じ、販売台数の拡大を狙った選択と見られる。

これと共に、Galaxy生態系の統合や連携、ブランド価値向上の努力を通じた忠誠ファンの割合を増やすことも、サムスン電子にとっては課題となっている。製造業強者のサムスン電子はこれまでハードウェア競争力ではリードしてきたが、ソフトウェア、ユーザー経験の面ではやや足りないという指摘を受けてきた。ライバル会社のアップルがここ数年間「革新がない」と批判を受けている中でも持続的な製品販売量と人気を維持する秘訣として強力なアップル生態系とブランドパワーが挙げられるという点を勘案すればなおさらだ。

これと関連し、サムスン電子も今年、Galaxyアンパックイベントを相次いで開催し、Galaxy生態系の統合を強調するなど、ブランド価値の向上に乗り出した様子が見られる。また、Galaxy S、Zシリーズの販売量が前作対比高かったと伝えられるだけに、28日に予定されているサムスン電子第3四半期の細部業績発表では、今年のスマートフォン事業全般の成果を評価できる見通しだ。

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