グローバル完成車メーカーがLFP採用…Kバッテリー各社が事業戦略修正へ

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グローバル完成車メーカーがLFP採用…Kバッテリー各社が事業戦略修正へ

韓国バッテリー3社が外形成長に加え、本格的な利益創出を目前に控え、暗礁に乗り上げた。グローバル完成車企業各社が、韓国バッテリー各社が強みを持っている三元系バッテリーの代わりに、安価なリチウムリン酸鉄(LFP)バッテリーへの買い替えを宣言したためだ。韓国メディア「エコノミックレビュー」が報じた。

Kバッテリー3社も市場変化に対応して素早く動いている。LGエナジーソリューションとSKイノベーション子会社のSKオンは、LFPバッテリーの開発を公式化した。ただ、第3四半期に最大業績を上げたサムスンSDIは、LFPバッテリーの代わりにハイマンガンバッテリーへと市場を細分化して攻略し、市場優位を守り抜くという戦略だ。

これらの企業は昨年、中国市場を除くグローバル電気車バッテリー市場で、使用量基準で合計シェア52.9%を記録し、Kバッテリーの底力を誇示した。しかし最近、グローバル完成車メーカー各社がLFPバッテリー採用を宣言し、製品ポートフォリオの多角化の必要性が持ち上がっている。

韓国バッテリー3社はNCM(ニッケル、コバルト、マンガン)またはNCA(ニッケル、コバルト、アルミ)など三元系バッテリーの生産に集中してきた。テスラやベンツなどが適用計画を明らかにしたLFPバッテリーは、中国のCATL、ビジャディなどが力を入れてきた分野だ。

グローバル完成車メーカーのLFPバッテリー採用は、価格や安定性を重視した結果と見られる。LFPバッテリーの原料であるリチウムリン酸鉄は、NCMより20%ほど安く、バッテリー価格を大幅に下げることができ、これは電気車の値下げにまでつながりかねない。またNCMバッテリーより火災発生率が低いと言われている。

NCMバッテリーは高いエネルギー密度を持っており、LFPより走行距離が400キロ以上長いことがメリットとして取り上げられている。高い価格にもかかわらず輸送用車両のように長期間運行が必要な場合、一度充電して長持ちする車両にはNCMバッテリーの採用が有用な状況だ。

電気自動車市場の急成長と共にバッテリーの安全性と性能を越えてコストパフォーマンスに対するニーズが登場したことを受け、韓国バッテリー3社の計算法も複雑になった。LFPバッテリー市場のシェアが次第に拡大すると予測される中、バッテリー3社はそれぞれ異なる姿に事業戦略を見直している。

SKオンは「エネルギー密度が低くかさばる短所を補完したLFPバッテリーを研究開発し、量産する計画」と明らかにし、LGエナジーソリューションは「LFPをESS(エネルギー貯蔵装置)から適用するために開発を進めている」と述べた。

サムスンSDIは、LFPよりハイマンガンバッテリーに焦点を合わせる計画だ。サムスンSDIは第3四半期の業績カンファレンスコールで「ボリューム市場はコバルトをマンガンに代替するコバルトフリー正極材を適用し、工程改善を通じてコストを削減する計画」と説明した。

韓国内の電気自動車バッテリー3社の今後の業績成果にも市場の関心が集中している。これらの企業はコロナ19による事業の不確実性を乗り越え、堅実な外形成長を続ける成果を出したが、実質的な利益創出の面では食い違った成績を収めた。

まずサムスンSDIは、第3四半期のエナジーソリューション(小·中·大型電池)の売上が前年同期比15%拡大した2兆7,409億ウォン(約2648億円)、営業利益は46%増の2,018億ウォン(約195億円)を記録したと発表した。電気車バッテリー事業は、車両向け半導体の供給難による需要減少にも関わらず、高付加価値製品を中心に販売が伸びたことを受け、2四半期連続の黒字を記録した。

サムスンSDIのバッテリー成果を含め、第3四半期全体の売上や営業利益はそれぞれ、3兆4,398億ウォン(約3323億円)、3,735億ウォン(約361億円)と、四半期基準では最高値を達成した。売上は前年同期比11.4%増、営業利益は39.7%増で、営業利益は市場コンセンサス(推定値)を7.5%上回る「アーニング·サプライズ」を記録した。

サムスンSDIとは違って、LGエナジーソリューションやSKオンのバッテリー事業は赤字を出した。まず、LG化学の第3四半期のエナジーソリューションの売上は、計4兆274億ウォン(約3890億円)と、1年前より28.1%拡大したものの、営業損益はマイナス3,728億ウォン(マイナス約360億円)と、赤字へと転換した。GMのリコール決定による引当金が反映された影響で、営業損益規模は前四半期(7,240億ウォン、約699億円)と比べ1兆ウォンも縮小した。

SKイノベーションの第3四半期バッテリー事業の売上は、前年同期対比68.1%拡大した8,168億ウォン(約789億円)を記録し、目立つ成長傾向を示した。売上増大とは別に投資継続、研究開発費増加など費用が増えたため営業損益はマイナス987億ウォン(マイナス約95億円)を記録、損失を継続した。

LGエナジーソリューションとSKオンは第4四半期の黒字達成が見込まれており、バッテリーメーカー3社がともに笑う日も遠くないという期待感が形成されている。LGエナジーソリューションやSKオンの受注残高は各200兆ウォン(約19兆3183億円)規模で、これを足がかりに、第4四半期の黒字転換を皮切りに、来年の損益分岐点の突破を予測している。

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