高麗亜鉛、水素・バッテリー素材で「営業利益1兆ウォンクラブ」目前に

EV・バッテリー 企業

高麗亜鉛、水素・バッテリー素材で「営業利益1兆ウォンクラブ」目前に

高麗(コリョ)亜鉛が年間営業利益1兆ウォン(約967億円)を目前にしている。昨年は連結基準で、売上は7兆5819億ウォン(約7333億円)、営業利益は8973億ウォン(約868億円)を記録した。今年上半期の営業利益は5430億ウォン、約525億円(売上4兆5759億ウォン、約4426億円)を記録し、昨年上半期(3682億ウォン、約356億円)と比べて47.4%増えたという。韓国メディア「BLOTER」が報じた。

12日、製錬業界によると、高麗亜鉛は1974年設立された44年業歴の製錬会社だ。高麗亜鉛の事業構造は単純だ。鉄と合金を除いた全ての金属を生産して顧客会社に納品する。主力製品は亜鉛で全体売上の32%ほどを占めている。銀が30%、鉛と金がそれぞれ17%、10%だ。高麗亜鉛は18種類の非鉄金属を取り扱っている。

ところが、高麗亜鉛が最近、本業と全く関係のないニュースで市場から注目されている。高麗亜鉛は今月8日、オーストラリア政府から約2100万豪ドル(約180億ウォン、約17億円)の支援を受けた。オーストラリア政府はグリーン水素生産に必要な資金として活用せよと、高麗亜鉛に資金を提供した。

非鉄金属会社と水素エネルギーは関連性がほとんどない。しかし、高麗亜鉛は長い間、異業種産業への進出を目論んでいた。

高麗亜鉛は今年3月、オーストラリアにアークエナジー(Ark Energy)を設立した。アークエナジーは再生可能エネルギーを開発し、「Ark Energy Macintyre Pty Ltd」と「Ark Energy H2 Pty Ltd」はそれぞれ風力発電と水素生産に乗り出す計画だ。絞り込めば、アークエナジーは再生エネルギーを通じてグリーン水素を作るという戦略だ。

高麗亜鉛の水素事業は秒読み段階であるだけに、事業の成功可否を判断するのは難しい。しかし、高麗亜鉛は亜鉛などを製錬する過程で莫大な量の電気エネルギーを使っているため、環境にやさしいエネルギーへの転換が必要だ。直接生産した水素を活用できるなら、高麗亜鉛はより環境にやさしく非鉄金属を生産できるわけだ。

高麗亜鉛が推進する力点事業が他にもある。高麗亜鉛は2017年に硫酸ニッケルメーカーのケムコを設立し、二次電池関連事業に進出した。硫酸ニッケルは精錬ニッケルに硫酸を加えて作る。硫酸ニッケルは別途の加工なしで正極材を生産することができ、生産段階を短縮することができる。ニッケルは正極材の核心原料でバッテリー性能と直結した素材だ。

ケムコは昨年、硫酸ニッケルの販売で1044億ウォン(約101億円)の売上を上げた。売上は前年(882億ウォン、約85億円)より18%増加した。高麗亜鉛の欲はこれで止まらず、昨年3月、銅箔製造会社のケイジャムを設立した。

二次電池用銅箔は負極材に入る薄い膜だ。薄いほど多くのリチウムイオンを満たすことができ、バッテリー効率と密接な関連を持つ。銅を6マイクロメートル(㎛)の厚さで薄く、歪みなしに伸ばさなければならないだけに、ハードルが高いため、イルジンマテリアルズやSKネクシリスなど、ごく少数の企業だけが銅箔を生産している。

ケイジャムは現在まで売上が全くない。銅箔はハードルが高い製品であるため、実際の納品までかなりの時間がかかる見通しだ。

高麗亜鉛はもう一度の挑戦を準備している。LG化学と共に前駆体合弁会社の設立を推進している。前駆体は正極材の前段階であり、正極材の原価の約7割を占めている。前駆体の種類としては、粒子の大きい大粒径と粒子の小さい小粒径前駆体がある。大粒径の約90%は中国から輸入している。輸入の割合が高く、正極材1キログラムを作って売れば、中国が14ドル(約1597円)を獲得し、韓国会社が6ドル(約685円)を得るという話があるほどだ。

エコプロビーエムやポスコケミカルなど、正極材メーカー各社は、前駆体の内製化を推進しているが、高麗亜鉛もLG化学と共に、前駆体市場に参入する計画だ。これまでLG化学は、LGエナジーソリューションが必要な正極材の30%ほどを生産し、納入してきた。LG化学がケムコなどから硫酸ニッケルなどを購入し、中国のメーカーに送り、前駆体を買い戻す方式だった。

高麗亜鉛とLG化学が前駆体合弁会社を作る場合、LGエナジーソリューションにまで納品手続きが単純になり、生産費用を節約することができる。

LG化学は2025年までに正極材26万トンを生産する計画を明らかにした。正極材1万トンを生産するのに、前駆体メーカーは1000億ウォン(約97億円)の売上が発生する。これを算術的に換算すると、合弁会社はLG化学の納品量だけで、約2兆5000億ウォン(約2418億円)前後の売上を上げるものと見られる。

このように高麗亜鉛の新事業は足早に歩いている。新事業が本格化すれば、高麗亜鉛は売上10兆ウォン(約9672億円)、営業利益1兆ウォン(約967億円)を難なく達成する見通しだ。

参考記事:[特集]供給力を拡大する韓国のバッテリー素材企業
参考記事:LGが豪製錬会社に持分投資 「原材料確保もバッテリー事業競争力の一つ」


 
 
あなたの感想をSNSでシェアする


この記事について、あなたの感想は?
  • 強い関心がある
  • 関心がある
  • どちらでもない
  • 関心がない
  • 全く関心がない