韓国政府とサムスンのすれ違い、ファブレス育成事業

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韓国政府とサムスンのすれ違い、ファブレス育成事業

韓国政府が半導体の国内ファブレス企業育成のために「マルチプロジェクトウェハ」(MPW)という事業を推進しているが、国内事業者による同事業への参加が低調であることが分かった。 同国電子新聞が報じている。その原因として、同紙は、国内ファブレス企業の実情とサムスン電子のファウンドリ戦略、政府の支援不備などが互いに絡み合ったものと分析している。
MPWは、ファウンドリがウェハに複数の顧客のプロトタイプチップを作って提供することをいう。 製品開発の初期過程や、大規模な研究開発(R&D)と量産余力が不足している半導体の設計スタートアップや、学術研究者が製品をテストする際に有用である。
この事業は、2017年からサムスン電子のファウンドリ事業部と協力して進めている。 国内ファブレス産業が未発達な点を考慮し、なるべく低価格でプロトタイプを製作する機会を与えようという趣旨で始まった。 サムスン電子も国内MPW事業に積極的に参加すると、数回宣言したことがある。

ファブレス企業は、2017年5社、昨年は4社がMPW事業に参加したという。 今年は、上・下半期に分けて行われたが参加率は特に改善されず、上半期に4社、下半期に3社が参加。 国内に約200を超えるファブレス企業があることを勘案すれば、過去3年間の参加率は2〜3%に過ぎないという計算になる。 特に今年下半期は、最近注目されているCMOSイメージセンサー、指紋半導体なども新規リストに含まれていたが、参加者は、むしろ上半期より減少した形だ。
その原因として、電子新聞は、政府支援とサムスン電子、そしてファブレスメーカーの間における「立場のすれ違い」があると指摘する。
まず、今年のMPW事業は回数こそ増えたが、政府支援が微々たるものだったとのこと。(政府側は)マスクコストの70%をサポートすると約束したが、ファブレス企業が主に利用する、台湾・中国のファウンドリに比べて、コスト面で大きな差がなかったとのこと。
これと共に、サムスン電子のファウンドリ戦略と国内ファブレス企業の需要との間に「ミスマッチ」が起きていると同紙は指摘。
国内ファブレス企業は、コストと技術水準を考慮して55〜100ナノメートル(㎚)の間、すなわち、「ミドル – エンド」工程を選択する場合が多いという。 しかし、サムスン電子は、クアルコム、AMDなどのグローバル先進の半導体企業を狙った最先端の7ナノ極紫外線(EUV)工程での市場占有率を高めることを最優先の目標としている。 普及型製品の工程のためにまだ調整する部分が相当あるというのが業界の大半の意見だとのこと。韓国内の他のファウンドリはという、100ナノ以上の工程で生産しており、協力対象にはならないという。
政府は来年から2年の間に120億ウォン(約11億円)のMPW事業資金が投入し、テコ入れをするという。


 
 
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