「フォトレジストのみ緩和」の背景

半導体 通商・特許

「フォトレジストのみ緩和」の背景

日本政府が韓国への輸出管理を強化していた半導体素材3品目のうち、EUV(極紫外線)用フォトレジスト(感光液)のみを緩和したのは、フォトレジストを生産する日本企業の危機感が幾分反映されているのではないかという分析が出ている。
半導体超微細工程の必須素材であるフォトレジストは、JSRと東京応化工業、信越化学工業などの日本企業が市場全体の約90%を占めるなど、事実上独占している素材だ。7月に経済産業省が韓国への輸出規制強化を発表した当時、韓国半導体業界は危機感に包まれた。
しかし、いざ蓋を開けてみると、フォトレジストの供給不足に起因する半導体生産への支障は意外にも発生しなかった。 8月末には、日本政府がフォトレジストの輸出に二度目の許可を出したことで、サムスン電子は最大9ヶ月分の物量を確保したといわれ、当面EUVラインの稼動に問題がないとみられていた。
一方で、韓国の半導体業界は、日本のJSRとベルギーの研究センターであるIMECがベルギーに設立した合弁企業を通じてフォトレジストの迂回輸入に成功したと韓国メディアが報じていた。同企業が生産したフォトレジストは日本産と大きな品質差がないため、韓国の半導体業界は日本産だけに依存する必要がない状況になった。
また一方では、JSRが韓国にフォトレジストの工場を設置し現地生産を行うのではないかという報道も11月にあった。
韓国メディアのマネートゥデイは、日本のフォトレジスト企業にとってサムスン電子という大きな取引先を失うことは打撃であるという見方を示す。実際、日本のフッ化水素メーカーである森田化学の場合、韓国への輸出が滞った当時、月に3億円以上の損失が発生したという。
韓国の半導体業界関係者は、「韓国企業がフォトレジスト供給先の多角化に成功したということは、日本政府も意識していないことはないだろう」とし「韓国の半導体業界は、日本経産省の今回の発表に大きな意味を感じておらず、供給先の多様化を引き続き推進中 」と述べたとマネートゥデイは伝えている。


 
 
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