中国新型肺炎、世界の半導体産業に影響も

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中国新型肺炎、世界の半導体産業に影響も

中国で発生した新型コロナウイルスにより、世界の半導体産業に影響が出るという懸念が出ている。

市場調査会社IBSによると、中国は世界の半導体市場の52.93%を占める。中国の半導体チップの消費額は、2006年は795億ドルに過ぎなかったが、昨年は2122億ドルを記録。2030年には6240億ドルまで増加すると予測されるなど、爆発的な成長が見込まれている。

中国は、半導体の生産にも積極的だ。現在、半導体自給率が15%台にとどまっているが、メモリ半導体会社やファウンドリの躍進により、2030年までに自給率が40%に達すると予想されている。国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は、中国が2021年には164億ドルの半導体装置を購入し、世界の同投資の4分の1を占めると予測する。

昨年、韓国の半導体業界は、メモリ半導体の需要低迷、米中貿易紛争などにより不振をきわめた。今年になってようやく投資が増え、株価も上がるなど、良いムードになりつつあった矢先の今回の事態により、各社とも緊張を高めている。

中国市場への販売に攻勢をかけていた国内企業の事業計画にも少なからぬ変化があると思われる。韓国電子新聞によると、国内の半導体装置メーカーは、中国の顧客への機器設置時期を遅らせ、事態が落ち着くまで現地の担当者を在宅勤務にしたという。また、3月のセミコンチャイナ(半導体展覧会)への出展や規模などの計画にも変更があり得るという。

また、複数の韓国メディアによると、蘇州市にあるサムスン電子の工場は、同市の方針により、春節が終わったあともすぐに工場を再開できない見込みだという。蘇州には、サムスン電子だけでなく、台湾のフォックスコンや米ジョンソン・エンド・ジョンソンなど、グローバル企業の工場が集結している。これら企業もサムスン電子と同様、工場運営に支障が出るものと推測される。

LG電子やSKハイニクスは中国への社員の出張を禁止・制限するなどしている。NHKによると、東京エレクトロンも武漢の現地職員を退避させるという。

(参考記事:「中国新型肺炎で韓国企業も影響。サムスンは工場再開遅延」)

中国企業の半導体生産にも影響があると予想される。武漢には、64段3D NAND型フラッシュ月を2万枚量産するというYMTC(長江存儲科技)と、NOR型フラッシュメーカーであるXMC(武漢新芯集成電路)の生産ラインがある。

電子新聞によると、中国の半導体業界に精通したあるとる関係者は、「武漢封鎖と従業員のファブの出入り制限などにより、各社の量産過程にも支障があると推測される」と述べたという。同関係者はまた、今回の事態により、YMTCによるNANDフラッシュ開発に支障が出ることは、韓国の半導体業界にとっては「時間稼ぎ」になるかもしれないが、世界の半導体市場の需要全体が減少することの方がより大きな問題であると説明したという。

(写真:iStock)


 
 
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