韓国の素材中小企業、日本の「輸出規制緩和」にむしろ警戒。国産化後退の可能性

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韓国の素材中小企業、日本の「輸出規制緩和」にむしろ警戒。国産化後退の可能性

日本による韓国への輸出管理強化(輸出規制)が「緩和」される動きがあるなか、なぜか韓国内の中小素材部品機器業界では、懸念の声が出ているようだ。韓国政府の掲げる目標通り、日本の輸出規制が「原状回復」され、昨年7月以前の状態に戻るならば、エレクトロニクス関連の素材・部品・機器の国産化政策が停滞するのではないかという心配からだという。

韓国デジタルタイムス誌によると、素材・部品・機器産業に従事する中小企業は、最近、日本の輸出規制の動きを注視しているという。同紙によると、中小素材企業の関係者は、「政府は国産化政策を行うと同時に輸出規制原状回復を掲げている」とし「輸出規制が原状回復すれば、最終的に大企業は、日本産の素材の輸入を再び増やす方が利益になると判断することがありうる」と述べたという。

また、別の業界関係者は「完全な国産化までには時間がかかり、利益を追求する企業の特性上、日本が輸出規制を撤回する場合、サムスンなどの大企業は(日本との)既存の取引網を再利用することが有利であるはず」と述べたという。

中小企業の間では、政府による素材・部品・機器の国産化政策が実質的な成果を出すには、大企業と中小企業の関係を再確立しなければならないとし、大企業と中小企業が協力して国産化を推進することで、持続可能な国産化が行われるという論調があるという。

他方で、国産化の動きは後退しないという意見もある。

同紙によると、韓国半導体産業協会の関係者は、「日本が輸出規制を完全に撤回しても、日本に対する私たちの企業のスタンスは以前のように戻るということは難しいはず」とし「いつでも、日本が再び輸出規制を行うことができるという不安が残るので、国内生産量を増やそうとする雰囲気はしばらく続くだろう」と述べたという。

半導体素材3品目に対する日本の輸出管理強化(輸出規制)はまだ維持されている。ただ、3品目のうちの高純度フッ化水素の対韓国輸出量が昨年12月に急増したことや、フォトレジストの輸出審査・承認方式を個別許可制から特定の包括許可制にしたことなどから、韓国メディアでは、日本政府が韓国への輸出管理強化(輸出規制)を「緩和」しているという見方が報じられている。一方で、昨年12月16日、東京で開かれた日韓通商当局間の局長級協議の結果、後続の局長級協議を早急に開催することで合意したが、まだ具体的な日時を決められずにいる状態でもある。また、1日には、日本が韓国の造船業支援についてWTOに2国間協議を要請するなど、通商当局間で新たな争点が生まれる可能性も生じている。


 
 
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