韓国のディスプレイ業界で続くリストラ、今度はコーニング社が実施

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韓国のディスプレイ業界で続くリストラ、今度はコーニング社が実施

液晶表示装置(LCD)用ガラス基板を製造する「コーニング精密素材(코닝정밀소재)」が先月、社内で希望退職の手続きを開始したという。東亜日報が報じた。 同社は、サムスンと米コーニング社が1995年に共同で設立した会社である。(2014年に関係清算後は米コーニング社の100%子会社)韓国忠清南道の牙山(アサン)にある工場でLCDガラス基板等を生産し、サムスンディスプレイなどに供給している。

東亜日報によると、コーニング精密素材は先月30日、5年以上勤務した生産および事務職を対象に希望退職の手続きを発表したという。退職者には契約年俸の約3〜4年分を慰労金として支給するとのこと。コーニング精密素材側は「国内のディスプレイ製造環境に変化が生じたため、効率的に対応するために希望退職を進めることにした」と述べたという。会社側は希望退職の規模を明らかになかったが、業界では、同社が最大300人を削減すると予想しているとのこと。

コーニング精密素材は、2010年にLCD市場の好況により、営業利益率が67%に達するなど、最高優良企業とされていた。しかし、2014年からLCDの収益性悪化が始まると、営業利益率が徐々に低下し、2018年には22.3%まで下落。従業員数は、同期間で4000人から2900人規模に減った。希望退職の手続きが終われば2500人を下回ると見られる。

韓国内のディスプレイメーカーでは構造調整が進められている。 LGディスプレイは2018年10月にLCD生産職を対象に人員削減を始めた。当時3000人余りが退職したという。昨年下半期(7〜12月)には、組織と役員を従来よりも25%削減する措置を断行し、追加希望退職を募った。サムスンディスプレイも昨年9月、大型ディスプレイ事業部の社員を対象に希望退職の手続きを進行。 LG化学は、LCDガラス基板の投資計画を撤回し、関連事業の売却まで検討していることが分かっている。

ユージン投資証券のイ・スンウ研究員は 「2022年韓国の大型LCDパネルの生産量は、中国の3分の1水準に減る」とし「国内企業の追加構造調整が続くことがある」と予想する。

国内ディスプレイ業界は、LCDの代わりに有機EL(OLED)パネルなど高収益パネルへの事業転換を急いでいる。 LGディスプレイは今年末までにLCD TVパネルの生産ラインをほぼ整理し、第1四半期(1〜3月)中に、中国広州でOLEDパネルを量産する予定である。サムスンディスプレイは、2025年までに韓国・牙山(アサン)に約13兆ウォンを投資し、世界最大規模になる量子ドット(QLED)ディスプレイの生産設備を構築する。

(参考記事:「LG化学が偏光板設備を売却へ、一部は中国南京工場へ」)

(参考記事:「LGのLCD出口戦略に支障、ガラス基盤売却交渉頓挫か?」)

(参考記事:「LGの脱LCDで直撃を受ける韓国坡州、雇用・税収など激減」)

(参考記事:「サムスンがQDディスプレイの正式組織を新設へ。来年量産に向け」)


 
 
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