サムスン電子が来月6日公開するフラッグシップスマートフォン・ギャラクシーS20のバッテリーセルのサプライヤーとして、サムスンSDIとLG化学が選ばれた。特にLG化学は、ギャラクシーS20製品群全体にバッテリーセルを供給する。サムスン電子とLG化学の協力が拡大されている形だ。
(参考記事:「LG化学がサムスンGALAXY最新モデルS11にバッテリー供給か」)
5日、ジイレックによると、LG化学はギャラクシーS20に供給するバッテリーセルを中国南京工場で量産しているという。基本的なモデルだけでなく、プラス、ウルトラモデル用製品も作られているとのこと。製品群全体にバッテリーセルを供給するのは今回が初めてである
ギャラクシーS20のバッテリー容量は、基本モデルが4000mAhだ。プラスは4500mAh、ウルトラは5000mAhだ。パッケージングはITM半導体のベトナム工場で行われるという。バッテリー容量が前作より大きくなったため、保護回路はPMP(Protection Module Package)が使われたとのこと。 PMPは、保護素子(Protection IC)やスイッチング素子(MOSFET)、プリント回路基板(PCB)などが統合された形だ。スマートフォンバッテリー基準で保護回路サイズを57%削減するという。
LG化学は数年前からサムスン電子のギャラクシー用バッテリーセルを製造している。主に中低価格製品が対象だった。昨年のギャラクシーS10からフラッグシップ製品にも供給。ギャラクシーノート10も製品を供給した。
ギャラクシーノート7以前までフラッグシップバッテリーセルを主に担当した中国のATL (Amperex Technology Limited)は、今回も採用されず。代わりに、BYDとギャラクシーA・Mシリーズなど中・低価格製品群に製品を供給するという。
サムスン電子がLG化学のバッテリーセル採用を拡大し、両社の協力はさらに拡大する見通しだ。今回の供給は、LG化学のバッテリーが価格競争力を持っているという傍証でもある。
LG化学は、小型バッテリー事業の強化のため、中国南昌市に同国ベケンテクノロジー(Veken Technology)と合弁会社も設立した。円筒形電池、スマートフォンなどのスマート機器に使われるポリマーバッテリーが対象である。同合弁会社はベケンテクノロジーが株式42%、LG化学が34%、南昌市当局が運営する投資会社は、株式の24%を保有する。