サムスンSDI、バッテリー前駆体事業を売却

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サムスンSDI、バッテリー前駆体事業を売却

サムスンSDIが、電気自動車バッテリーの核心素材であるプリカーサー(前駆体)事業を韓国のコスモ新素材社(코스모신소재/Cosmo Advanced Materials)に売却した。韓国メディアによると、サムスンSDIの子会社であるSTM社(에스티엠)の事業競争力強化のための布石であるとみられている。
韓国メディア・ジイレック紙によると、サムスンSDIの子会社であるSTMは2月、コスモ社に年産2400トン規模の前駆体生産ラインを売却したこという。STMは、蔚山工場の遊休設備売却によって正極材事業に集中し、コスモ社は電気自動車バッテリー事業進出のための土台を得た形になる。売却金額は公開されていないが、数十億ウォン規模になると同紙は推測する。
前駆体は、バッテリー原価の40%を占める正極材の核心素材だ。前駆体をリチウム化合物と約1:1で混ぜて生産する。これまでコスモ社は、主に小型バッテリー用正極材であるコバルト酸リチウム(LCO)を作ってきた。昨年、中大型バッテリー用NCM523(ニッケル・コバルト・マンガン比率5:2:3)の生産も始めた。NCM523は、主にエネルギー保存装置(ESS)などに使われる。LG化学が主要取引先だ。
同紙によると、STMが買収した前駆体生産ラインは、電気自動車バッテリーに主に適用されるNCM622(ニッケル・コバルト・マンガン比率6:2:2)以上の正極材が対象であるという。同紙は、(STMが)ニッケル含有量80%以上のハイニッケル正極材まで念頭に置いているとする。ニッケルが多いほどエネルギー密度が高くなり、電気自動車の1回完全充電時の走行距離を伸ばすことができる。
STMは、サムスンSDIに供給する正極材生産に注力するとみられる。同紙によると、サムスンSDIは、エコプロビーエム社(에코프로비엠/ECOPRO BM)と合弁で設立された エコプロイーエム社(ECOPRO EM)とは別に、正極材の内在化率を一定水準まで引き上げる計画であるとされ、そのためSTMの役割が重要であると分析する。
(参考記事:「[特集]”コリアンスリー”によるEV電池・正極材の確保競争」)
STMは2011年5月、サムスン精密化学と日本の戸田工業が合同で設立した。2015年9月、サムスンSDIが、サムスン精密化学のバッテリー素材事業を引き受け、戸田工業の持ち分を買い取り100%子会社にした。


 
 
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