[特集]サムスンの株主総会で何が話されたか?スマホ・労組・ファウンドリ・フッ化水素

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[特集]サムスンの株主総会で何が話されたか?スマホ・労組・ファウンドリ・フッ化水素

 
先週18日、サムスン電子の第51期定期株主総会がソウルで開かれた。(参考記事:「サムスン電子が定期株主総会開催」)
同総会では、基調報告のあと、サムスン電子の各部門社長(本部長に相当)が、一般株主からの質問に答える質疑応答があった。それら内容は韓国メディアや動画などで知ることができる。質疑応答のなかには、同社の事業近況や方向性を知るうえで有益なものもある。以下に抜粋し整理した。(一部意訳)
 

―サムスンディスプレイのベトナム工場について
Q.サムスンディスプレイのベトナム工場に問題があるという報道が出ている。問題のある部分は何であり、今後の計画、改善の方向を教えてくれ。
A.サムスンディスプレイの組立ラインがベトナムにある。そこでの生産をすぐに本格化する予定である。ご質問の内容は、競争力をどのように保持するかということで理解した。弊社では、稼働率を含むすべての部分を点検している。徐々に改善できると考えている。(答弁者:キム・ギナム副会長=DS部門責任者)
(参考記事:「ベトナム、サムスン技術者の入国を条件付きで許可」)
(参考記事:「サムスンがベトナムに社員を追加派遣。OLEDモジュール設備改造のため」)
 
―ファウンドリについて
Q.ファウンドリは、サムスン電子の将来を支える事業だと思う。TSMCは顧客と競合しないというモットーで市場シェア50%以上を占めている。2位のサムスン電子はTSMCや競合他社からシェアを奪う必要があるが、具体的な戦略を教えてくれ。
A.現在、サムスンファウンドリは、台湾の大企業(TSMC)との間にギャップがあるのは事実だ。しかしながら、今後ファウンドリ事業と市場(競争力)は先端プロセスで決まる。その点で、サムスンファウンドリは、台湾の大企業(TSMC)と比べ負けていない。実際、最近になり多くの顧客が当社の側に来ている。端的にいえば、先端プロセスにおける競争力により、サムスンファウンドリが一層発展できるようにする方針だ。(答弁者:キム・ギナム副会長=DS部門責任者)
(参考記事:「米ファブレスの韓台二元化で韓国ファウンドリ業界に特需か?」)
(参考記事:「ファウンドリ市場、サムスンとTSMCとのシェア差拡大か」)


―IoT、ビッグデータ、AI、クラウド、ブロックチェーン

Q. IoTやビッグデータ、AI、サムスンクラウドなどを発表しているが、ブロックチェーンはどのように活用するかを教えてくれ。
A. IoT、ビッグデータ、クラウド分野においてサムスン電子は、世界のどの企業よりも多くのハードウェアを保有、生産、販売している。サムスン電子は、1年に5億台のハードウェアを販売する。ハードウェアで得られる情報、リンクされた利便性、消費者の新たな経験を中心に、ビッグデータとクラウドを活用するつもりだ。(答弁者:キム・ヒョクシン社長=CE部門責任者)


―労組について

Q.現政府の「反企業精神」のため労組問題がサムスンの躍進の妨げになっているようだ。労組問題について、サムスングループは、どのように対処しているか聞きたい。
A.弊社は適法な労働組合の行為は保証する。ただし、より前向きで健全な労使文化が形成されるよう、さらに努力する考えだ。(答弁者:キム・ギナム副会長=DS部門責任者)
(参考記事:「サムスン監視のコンプラ委員会が勧告、総裁による謝罪や労組容認など要求」)
(参考記事:「サムスンがコンプライアンス誓約式」)


―新型コロナウイルスの影響について

Q. CE部門(家電部門)におけるTVや冷蔵庫などの主力製品はコロナ19による生産支障はないか。
A.現在の時点では全く支障がない。中国で(コロナ19が)始まった初期には、一部の部品供給の問題があったが、今では問題がない。(答弁者:キム・ヒョクシン社長=CE部門責任者)


―フォルダブルフォン(折りたたみスマホ)について

Q.今後のフォルダブルフォン市場の成長性どのように考えているか?
A.昨年、市場において、フォルダブルフォンがワーキングする(通じる)という点を確認できた。一般フラッグシップ製品のように多くの数量を発売できない理由は、部品などいくつかの理由がある。フォルダブルフォン市場での先導力を前面に、お客様にさらに愛されるギャラクシーブランドを目指したい。(答弁者:コ・ドンジン社長=IM部門責任者)
(参考記事:「フォルダブルフォンディスプレイ市場、毎年2倍成長か」)


(写真:サムスンの「Galaxy Z flip」=同社提供)

―他社のフォルダブルフォンについて
Q.サムスンのフォルダブルフォンをファーウェイの「Mate Xs」やLGの「デュアルスクリーン」と比較した場合、競争力はどこにあるのか?
A.フォルダブルフォンを初めて商用化し、In-folding方式で発売したのはサムスン電子が唯一だ。耐久性や利便性の部分はすでに市場に認められた。この部分では、サムスンの差別化されたフォームファクタを発展させていく。(答弁者:コ・ドンジン社長=IM部門責任者)
(参考記事:「「Z Flip」と「Mate Xs」、中韓フォルダブルフォンの比較」)

 
ー中国およびインド市場について
Q.中国のスマートフォン市場シェアを二桁に増やす時期はいつになるのか?インドのスマートフォン市場で再び1位を回復する時点はいつになると思うか?
A.中国市場(の現状)はとても心が痛い。昨年末、地元の流通や営業など、ほとんどの機能をローカライズ組織に完全に改編した。組織改編とリーダーシップの変更により、組織の効率を向上させ、利益を出せる基盤を作った。フォルダブルフォンやプレミアムシップ製品が中国の消費者に愛されていることを確認できた。中国市場では、プレミアムモデルや、中国企業が作らない差別化されたモデルを中心に市場シェア増やすつもりだ。インド市場では、中国で得た教訓を参考にするつもりだ。インド市場は昨年、一部のシェアを失ったが、ほとんどが低価格モデルのものだった。金額ベースでは、サムスン電子が1位を固守している。「ギャラクシーA」シリーズやプレミアムモデルなどのセグメント別に消費者が望む製品を供給し、金額はもちろん数量でもインドの市場シェア取り戻せるよう努力する。(答弁者:コ・ドンジン社長=IM部門責任者)
(参考記事:「1位シャオミと2位サムスンの差広がる、インドスマホ市場。3~5位も中国勢」)
(参考記事:「[特集]サムスンの中国スマホ市場奪還は可能か?(上)」)
(参考記事:「[特集]サムスンの中国スマホ市場奪還は可能か?(下)」)

 
―AP(アプリケーションプロセッサ)について
Q.サムスンのスマートフォン事業において「Exynos」(エクシノス=サムスン製のAP)は玉に瑕だ。クアルコムの「Snap dragon」(スナップドラゴン=クアルコム製のAP)よりも性能が落ちると多くの批判受けている。「Exynos」日固執する理由は何なのか?改善の方法はあるのか?
A. 「Exynos」と競合他社のものを比較の場合、市場の状況に応じてお客様の評価が一部異なる場合がある。IM部門(携帯電話部門)で「Exynos」を自社製品だかといって使用することはない。競争の論理に基づいてチップセットを選択している。(答弁者:コ・ドンジン社長=IM部門責任者)


(写真:サムスン製のAP「Exynos 9」=同社提供)

 
―フッ化水素について
Q.日本政府が輸出規制したフッ化水素は、国内での開発と供給が可能なのか?
A.(日本が素材輸出を規制し始めた昨年7月)当時、IM部門では、1〜4次のベンダーまで全サプライチェーンを理解し熟知しなければならない状況であった。当時3〜4次の原材料は、一部問題があったことは事実だが、今ではかなりの部分を解消した。IM部門だけでなく、全社レベルでの協力によって、そのような問題を防止している。(答弁者:コ・ドンジン社長=IM部門責任者)
(参考記事:「日本からのフッ化水素対韓国輸出、昨年12月に急増」)

 
―iPhoneについて
Q.高校1年生になった子供が、AppleのiPhoneを使いたいと言うが、私がサムスン電子の株主なのでサムスンのGalaxyを強制的に買い与えた。子供は「Galaxyを使うことにするが、無線イヤホンはAppleのAir podが良い」と言っていた。Appleは修理費も高い。子供がApple製品にこだわるような要素がサムスン製品にも必要だと思うが、その点はどうか?
A.スマートフォンがAppleによって創出されてか12年が過ぎた。 (iPhoneは)若い人たちの感性を刺激し、消費者がiPhoneに魅力を感じているという点は十分に認知している。競合他社から学ぶ点は学ばなければならない。お客様が感動できる経験価値をどのよう提供することができるかに焦点を当てて長いあいだ仕事してきた。昨年は、新製品の発売後に、お客様のイベントにも直接参加して反応をチェックしている。20代消費者からのGalaxyの反応が良いと感じている。(答弁者:コ・ドンジン社長=IM部門責任者)
(参考記事:「[特集]サムスン電子の「次期CEO」が描く新スマホ事業」)

※この他にも、サムスンを解雇された元社員の支援者による強い口調での糾弾発言があった。サムスン側は総会の円滑な進行を理由に、同支援者に数回の警告のうえ退場させている。

構成:イ・ダリョン=編集長

 
 
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