サムスン電子に極紫外線露光装置(EUV)を供給しているオランダの半導体製造装置メーカー・ASMLは、新型コロナウイルス感染症(コロナ19)の被害が比較的小さいという見方が出いてる。
ロイター通信など外信は1日、「ASMLはコロナ19によるEUVフォトリソグラフィ(Photo Lithography)需要の減少の兆しはない」と報道した。
EUVは、フォトリソグラフィと呼ばれる露光工程に使用される。露光はウェハに光を投射し回路パターンを描画する工程である。
ピーターウェニンク(Peter Wennink)ASML最高経営責任者(CEO)は、「コロナ19がASMLの製造能力に及ぼす影響は限定的」とし、EUVリソグラフィの需要が減少していなことを強調した。
これに対してロイターは、ASMLがEUV生産を事実上独占しているためであると説明する。
ロイターは「ASMLはEUVシステムを生産する唯一のメーカー」と「半導体メーカーには、ASMLに代わる選択肢がない」と説明した。
最近、半導体業界ではEUVプロセスを採用するケースが大きく増えている。ファウンドリ(半導体受託生産)分野で対決するサムスンと台湾のTSMCは、EUV装置を活用した最新のプロセス技術をこぞって発表。
特に、サムスン電子は先月25日、業界で初めて、メモリ半導体DRAMにもEUV工程を適用し量産体制を整えた。サムスン電子は、DRAMにEUV露光技術を適用すると、パフォーマンスと収率が向上し、製品開発期間を短縮することができるとした。
一方、ASMLは昨年、システム半導体市場が急成長したことでEUV装置の需要が急増した。これにより、ASMLの年間売上高は118億ユーロ、営業利益は26億ユーロを記録し、歴代最大の実績を達成した。
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